蛇谷りえの
鳥取☆おしゃれcollection – 2017 SS
#1 和田さんのスカーフ

湯梨浜のゲストハウス・たみや鳥取駅前のY Pub&Hostelを運営するうかぶLLCの蛇谷りえ(大阪出身/トレードマークはピンクのめがね)が、県内で出会ったおしゃれガール&おしゃれボーイを突撃スナップ&インタビュー。ここで言う“おしゃれ”とは、流行とか最先端って意味じゃなく、その人の内面とか暮らしから自然と溢れちゃうもの。ここにしかいない人の、ここにしかないオシャレ最新型を探します!


ということで、さっそく1回目。すこし緊張しながら、カメラ片手に鳥取市のまちなかへ繰り出し、文字通り突撃アタック。スーパーや駅、路上などをうろちょろしていると、冷ややかな視線を浴びました。初めてだししかたがないなー。そこで気持ちを切り替えて、前から気になっていたお店の人にアポなしインタビュー。

名前:和田敏宏さん
職業:オーガニックショップ経営
場所:鳥取市栄町

「5・6年前までは、家業を継いで呉服・婦人服屋でした。その頃はシャツ、ネクタイにジャケットという格好が多かったです。でも、お店の方向性を転換してオーガニックな日用品、雑貨屋にしていたら、自分の服装も変わっていき、シャツもズボンも麻や木綿など天然素材のものを着るようになりました。
なで肩なので首元が間抜けになる気がしてシャツを選んでました。このスカーフは、3.4年前の冬に首元を温めるといいことを発見して、お客さんにスカーフの巻き方を教わりました。はじめは恥ずかしかったけど、徐々に恥ずかしくなくなり、褒めてもらえると素直に喜べるようになりました。それからは秋冬になるとスカーフを必ず巻くようになり、全部で5.6本あり、竹布のスカーフがお気に入りです。
なんとなく家業を継いで、以前は自分の選択より人目を気にした当たりさわりのない服を着て目立ちたくなかったけど、最近は自分の好きなモノを選べるようになっていきました。」(和田さんのコメント )

若い頃の和田さん、ご両親との家族旅行にて。シャツとパンツの着こなしがお父さんと同じ。

企画の趣旨を理解してくれた和田さんは、私の質問にやさしい口調で、「スカーフを巻くなんて、自分でも考えてもみなかったわよ」と話し出してくれました。スカーフは保温機能だけでなく、襟付きシャツとズボンというシンプルな格好に足すことで首元に華やかさが出て、和田さんのチャームポイントとなっています。周りの人に気づいてもらえるって照れくさいけど嬉しいですよね。

襟付きシャツにズボンの組み合わせは昔と変わらないけど、「なんとなく」ではなくて、自分で選ぶ喜びや変わっていく自分を認められる姿勢が和田さんらしいなと思いました。


organic style 水越屋
鳥取市栄町621(鳥取駅前サンロードの中)
0857-22-3548
営業時間:10:00-18:00
定休日:水曜
http://blog.zige.jp/mizukosiya/

ライター

蛇谷りえ

1984年大阪生まれ。2012年に「うかぶLLC」を設立し、共同代表の一人。うかぶLLCでは、鳥取県は湯梨浜町にある「たみ」と、鳥取市にある「Y Pub&Hostel」を経営している。また、鳥取大学地域学部教員の合同ゼミ「鳥取大学にんげん研究会」やアートプロジェクト「HOSPITALE」のマネジメントなど、ある世界の中で、サテライト的な関わりであれこれつなげるのが得意。”外”担当。 photo:Patrick Tsai