蛇谷りえの
鳥取☆おしゃれcollection – 2019 SS
#6 岡さんのパンツ
湯梨浜のゲストハウス・たみや鳥取駅前のY Pub&Hostelを運営するうかぶLLCの蛇谷りえ(大阪出身/トレードマークはピンクのめがね)が、県内で出会ったおしゃれガール&おしゃれボーイを突撃スナップ&インタビュー。ここで言う“おしゃれ”とは、流行とか最先端って意味じゃなく、その人の内面とか暮らしから自然と溢れちゃうもの。ここにしかいない人の、ここにしかないオシャレ最新型を探します!
今年は暖冬で、雪が積もることはなかったですが、それはそれで気合いれて揃えた防寒具の出番が少なくて、物足りなさを感じているこの頃。鳥取でひときわ賑わっていたイベントに参加し、トークイベントのために来鳥していた「蟻鱒鳶ル」の岡啓輔さんにファッションインタビューをしました!
名前:岡 啓輔
職業:建築家
場所:鳥取市今町
「このパンツは、どこで買ったんですか?」東京都・三田で2005年からセルフビルドビル「蟻鱒鳶ル」を作る岡さんと、鳥取で話ができる機会もなかなかないのですが、こんなパンツも見たことなかったので、我慢できずに質問。「かれこれ20年間ぐらい履いていて、生地が薄くなるたびに刺し子をしてきたんです。お酒をちびちび飲んで、履きながら繕うので、たぶん3000〜4000時間分はあるかな。糸代で高くついてる、と家族に言われています(笑)」もう建築というか、彫刻というか、作品というか、パンツじゃない。
「このパーカーは、数少ない新品で買った服です」嫁さんの友人のフィンランド人の作家の東京での作品展で買ったものだそう。「フィンランドの児童文学賞を持つ才能ある人なんだけど、東京で遊んでいるときは、いつも何か絵を描いて見せてくれて、無邪気で素敵な友人で、そういう人との繋がりで買うことがありますね」靴は、福岡に里帰りしたときに久留米で購入したムーンスターのデッキシューズ(2500円ぐらい)。ムーンスターが好きで履きつぶしては買っているそうです。
岡さんの身につけている衣服一つ一つにご家族や自分の身の回りの物語があって、「衣服」そのものを見て選び取っているというよりは、岡さんのつながりによって引き寄せられているように思います。集まった「衣服」が岡さんの一部になって、パンツも靴の形も、岡さんの皮膚のように岡さんの身体にしっかり馴染んでみえます。セルフビルドで「蟻鱒鳶ル」を作り続けている岡さんならではの、身体や素直な気持ちに正直で、家族や周囲への誠実さが感じられるスタイルです。
※このコラムのロゴは(公財)とっとり県民活動活性化センター「平成30年度非営利公益活動広報補助金」を活用して作成しました。