波田野州平
映像みんぞく採集
#8 倉吉のブルーシート

映像作家の波田野州平を中心に結成された記録集団「現時点プロジェクト」が鳥取県の各地を巡って、観光案内では紹介されない(されるはずのない)場所や物事に熱視線を注ぎ、映像でレポートを提出します。日々の視界を少しだけ広くする報告書。お忙しい1日の隙間にご覧ください。


2016年10月21日午後2時7分、鳥取県中部で震度6弱(M6.6)の地震が発生した。死者はなく人災は少なかったものの、倉吉市の旧市街地に残る古い家屋が崩れる被害が出た。間もなくブルーシートが張られ、応急処置が施された。2016年12月、撮影時の町にはいつものゆるやかな時間が流れていた。しかし見上げると青い屋根が広がっている。被災後の町にはもろさとたくましさの両方がある。

あれから1年経った今、復旧は進みブルーシートはほとんど見られなくなりました。
しかし修復できない家は取り壊され、街並みに空き地ができたところもあります。
1年ぶりにこの光景を見て、ますます「現時点」を記録しておくことの重要さを感じました。
それでは次の隙間でお会いしましょう。

ライター

波田野州平

鳥取生まれ東京在住。辺境と中央を往復して制作(映画を作ったり、ライブを撮ったり、ミュージックビデオを作ったり)しています。今は記録メディアとしての映像の役割にとても興味を持っています。