波田野州平
映像みんぞく採集
#5 古いマッチ箱(倉吉の飲食店編)

映像作家の波田野州平を中心に結成された記録集団「現時点プロジェクト」が鳥取県の各地を巡って、観光案内では紹介されない(されるはずのない)場所や物事に熱視線を注ぎ、映像でレポートを提出します。日々の視界を少しだけ広くする報告書。お忙しい1日の隙間にご覧ください。


かつて生活に欠かせないもののひとつがマッチだった。ストーブをつけるにも煙草をふかすにもマッチは必要だった。それだけ生活に浸透していたからこそ、広告としても大きな役割を果たしていた。各店舗は洒落たデザインと洒落たキャッチコピーのマッチ箱を競ってお客のポケットに忍ばせた。今の生活の中でマッチを擦る機会がどれだけ残っているだろうか。仏壇にももうその姿はないかもしれない。それに伴うように多くのお店がマッチ箱だけを残して消えていった。もうないお店、もうない地名、続いているお店。マッチ箱ひとつから立ち昇る町の悲喜こもごもをどうぞ。

1. 食堂 一春(八屋家畜市場横)
2. レストラン ナショナル会館
3. 鉄板料理 月ヶ瀬
4. 西倉吉ボウル
5. 割烹旅館 さびや(山陰線あげい)
6. 和風レストラン 山陰
7. スタンド マリ
8. 喫茶 和光
9. ホルモン料理専門店 萬花楼(倉吉有楽街)
10. 大衆食堂 お好み焼き とみや(畜産市場入口)
11. 御料理 仕出し 叶井
12. 大和百貨店食堂(喫茶上階)
13. 中華料理 蓬莱軒
14. 御料理 つるや(警察署隣)
15. 仕出し 鮮魚 よしだ屋
16. 仕出し 御料理 しばや
17. 高田酒造株式会社 此君
18. かどや 日名酒店
19. 山根酒店
20. 松原旅館(家畜市場内)
21. 旅館 まきた
協力:徳永淳子

私もこんなの持ってるよ、というフィルメニスト(マッチ箱蒐集家)の方はぜひご連絡ください。
一緒に鳥取のいろんな町の商店街をマッチ箱で復活させましょう。

それでは次の隙間でお会いしましょう。

ライター

波田野州平

鳥取生まれ東京在住。辺境と中央を往復して制作(映画を作ったり、ライブを撮ったり、ミュージックビデオを作ったり)しています。今は記録メディアとしての映像の役割にとても興味を持っています。