波田野州平
映像みんぞく採集
#4 天神川河口の真鴨

映像作家の波田野州平を中心に結成された記録集団「現時点プロジェクト」が鳥取県の各地を巡って、観光案内では紹介されない(されるはずのない)場所や物事に熱視線を注ぎ、映像でレポートを提出します。日々の視界を少しだけ広くする報告書。お忙しい1日の隙間にご覧ください。


倉吉市の中心を流れる天神川は、北栄町と湯梨浜町の境を抜けて日本海へと注ぎ出る。夕方になるとその河口に真鴨の群れが羽根を休めにやってくる。群れは大きな円を描くようにゆっくり反時計回りに周回している。時折羽ばたき、じゃれ合うものもいる。いつも土手を散歩しているという夫婦によると、もっとたくさんいる日もあるそうだ。ぶつかることなく優雅に周遊する様子は、個と全体の調和が見事にとれていていつまでも見とれてしまう。


真鴨の群れがいっせいに飛び立つ瞬間にお目にかかれないものかとじっと耐えていましたが、ついに見ることはできませんでした。ぜひ皆さんも挑戦してみてください。
それでは次の隙間でお会いしましょう。

ライター

波田野州平

鳥取生まれ東京在住。辺境と中央を往復して制作(映画を作ったり、ライブを撮ったり、ミュージックビデオを作ったり)しています。今は記録メディアとしての映像の役割にとても興味を持っています。