レポート:「なんだこれ?!サークル」とっとり版・なんだこれ?!ハンドブックをつくる
ワークショップ&プロジェクト #1

「トットの美術館プロジェクト」の主要な活動のひとつとして展開している「なんだこれ?!サークル」。2020年度はオンライン開催で、鳥取の人たちがアイディアを持ち寄って新しいハンドブックづくりに挑戦しました。新設される鳥取県立美術館に興味津々のトットライター蔵多が今回のプロジェクトの様子をレポートします。


2021年1月31日-2月14日の期間に開催された「なんだこれ?!サークル」とっとり版・なんだこれ?!ハンドブックをつくるワークショップ&プロジェクト。 約1年越しのレポート掲載となり大変恐縮ですが、Zoomを使用しオンラインで開催された様子や本活動を客観的に見ていたトットライター蔵多(以下、筆者)から見た「なんだこれ?!サークル」の面白さを綴っていきたいと思います。このレポートをご覧いただき、『「なんだこれ?!サークル」気になる!!』と感じていただけたトット読者の皆さんは、今年度の発表会「なんだこれ?!サークル とっとり オープンぶしつ2021」にぜひご参加いただけますと幸いです。

「なんだこれ?!サークル」ってそもそもなに?&2020年度の取り組みについてのおさらい
そもそも「なんだこれ?!サークル」って「なんだ?!」というトット読者の方に向けての前提共有です。
「なんだこれ?!サークル」は、思わず「なんだこれ?!」と言ってしまいそうなことが大好きな人の集まり=サークルです。子どもと大人が一緒になって、自分だけの表現(=なんだこれ?!)を楽しみながら追求していきます。「なんだこれ?!」なことを思いついたら、それを実際にやってみたり、誰かに見せて「なんだこれ?!」と言わせたりします。また他の人の「なんだこれ?!」を見て、味わったり、話し合ったりしていくのです。

せんたくばさみ(大阪enoco)2020年

この取り組みは、元アーティストで編集者の岩淵拓郎さん(以下、ブッチーぶちょう)と一般社団法人タチョナが共同で開発した、子どものためのアートワークショッププログラムです。表現(創作)と鑑賞(批評)を往復しながら、自分だけの自由な表現(=「なんだこれ?!」)を参加者それぞれが作り上げたり、パフォーミングアートをベースとしつつさまざまな表現に展開可能であることやアーティストでない人がファシリテーションを行なうことができることなど、「アートワークショップ」という枠組みに捉われないユニークな特徴があります。

なんだこれ?!ライブ(タイ バンコク)2019年2月

国内外での実践を通して「なんだこれ?!ハンドブック」というサークル教本のオリジナル版が2014年に制作されました。このハンドブックには、これから「なんだこれ?!」を始める人のための、基本的なルールや心構え、考え方のヒントが書かれています。また、パイセン(=せんぱい)たちが生み出した「なんだこれ?!」の数々も、よりすぐりで紹介していて、まさに「表現の種」が詰まった特別なハンドブックなのです。

2020年度に開催された「なんだこれ?!サークル」とっとりでは、発起人の水田美世さんの呼びかけを受け、8名がプロジェクトに参加。参加者の皆さんは、とっとり版・なんだこれ?!ハンドブックの中身をワークショップ形式で制作していくこととなりました。

オリエンテーション「ハンドブック(未完成)を読む」(2021年1月31日開催)
初回となるこの日は、ブッチーぶちょうと水田さん、参加者の皆さんの初顔合わせ。
まず、水田さんから『なぜ「なんだこれ?!サークル」とっとりを実施するのか』を説明。「トットの美術館プロジェクト」の主要な活動のひとつとして展開しているのには、2025年春(令和6年度中)に開館する鳥取県立美術館及びラーニングセンターに向けて、トットがこれまで育んできた文化や芸術の分野で活動する人たちのネットワークを生かしながら、美術館づくりにどのようにコミットしていけるかを、実践しながら考えていくプロジェクトが出来ないか、という考えがあるとのこと。トット立ち上げ前からアドバイザーとして参画していたブッチーぶちょうと相談し、鳥取で表現のことを考える場を作るため、「なんだこれ?!サークル」とっとりを立ち上げることとなったようです。


水田さんの熱い思いを受け取り、参加者からそれぞれ自己紹介。鳥取県内で美術活動や場づくりをする表現者を始め、NPO団体や行政職員など、様々な立場の皆さんが「サークル活動が楽しそうだから参加しました!」「ワークショップの参考にしたい」「なんだこれ?!をやってみたい」「アート、表現について考えたい」「ワクワクすることをしたい」と思い思いに参加理由を語っていました。

ブッチーぶちょうからは、自己紹介と「なんだこれ?!サークル」についての改めての説明やこれまで出来上がった「なんだこれ?!」動画を見ながら「なんだこれ?!」を考える時間に。元アーティストで編集者のブッチーぶちょうがこれまでの活動の中で感じた、アートや表現の手前にある「自由に何かをやって面白がる」ことを子どもたちに伝え楽しんでもらうため、アートやアーティストという言葉を使わず「なんだこれ?!」というキーワードに辿り着いたようです。
「なんだこれ?!」という言葉を読者の皆さんはどう使うでしょうか。筆者は、困惑したり恐れを抱いたり驚きの度合いが自分の中では抱えきれない時に使う言葉ではないかなと考えています。これまで出来上がった「なんだこれ?!」動画は、リコーダーを吹き続ける女の子とリコーダーの先についた紐を引っ張り続ける女の子が攻防しているもの、3人の女の子が互いに足をくっつけてジャンケンで負けると髪飾りのようなものを付け合うものなど。筆者としては驚いたり困惑して「なんだこれ?!」と思わず言いたくなり、でも何故だかワクワクするような印象も受けました。「なんだこれ?!」にはいろんな意味が含まれていて、それを受け取る側の感じ方も多種多様ではないかと考える時間になりました。

そして、いよいよ今回のプロジェクトの目的共有。今回の目的は『鳥取で「なんだこれ?!サークル」をスタートさせるにあたって「なんだこれ?!」のつくりかたをハンドブックに追加する』というもの。この「つくりかた」を参加者の皆さんに考えていただき、とっとり版ハンドブックをつくりあげていくというワークショップ&プロジェクトなのです。


ですが、参加者の皆さんは「なんだこれ?!ハンドブック」を今まで見たことがないので、Zoomで画面共有しながら、ブッチーぶちょうと参加者の皆さんとで、「なんだこれ?!サークルとは?パイセンって?」「サークルの鉄の掟」「つくりかたは何?」「そのつくりかたを実践してみたパイセンの作品をみてみよう」と声に出しながら読んでいきます。読めば読むほど「なんだこれ?!」が紐解いていかれて、「この方法なら自分もできるかも」と思わせるものもいくつかあります。12個のつくりかたを読み終え、「この12個に続くつくりかたを参加者それぞれが考えて、とっとり版ハンドブックをつくりましょう」とブッチーぶちょう。


つくりかたの見つけ方として、①いろんななんだこれ?!からパターンを探す、②身近なパイセンに聞いてみる、③自分で考える、といったヒントやつくりかたのポイントをレクチャーしていただきました。

「なんだこれ?!」を体験し、これまでのハンドブックに載っていない「なんだこれ?!」のつくりかたを考えることになった参加者の皆さん。ワークショップの際に参加者それぞれから、どのような「なんだこれ?!」が飛び出すのでしょうか。

《つづく》


開催予告
「なんだこれ?!サークル」とっとり 2022 オープンぶしつ

【よなご】https://fb.me/e/1cbXlg1oK
日 時
|2021年2月23日(水・祝)
場 所|ちいさいおうち(鳥取県米子市皆生温泉2-9-36)
タイムテーブル
10:00-14:00 こうかいかつどう
14:00-16:00 ハンドブックづくり
16:30-18:00 なんだこれ?!もちより上映&発表会

【とっとり】https://fb.me/e/35iGkrlzS
日 時|2021年2月27日(日)
場 所|トりんく まんまる(鳥取県鳥取市元町275)
タイムテーブル
13:00-16:00 こうかいかつどう&ハンドブックづくり
17:00-18:30 なんだこれ?!もちより上映&発表会

参加費
|300円(ハンドブックのざいりょう代、ほけん代)

※いつ来ても、いつ帰っても、ずっといてもOK!
※「なんだこれ?!サークル」とっとり版ハンドブックがほしい人は、”オープンぶしつ”に参加するか、ちいさいおうちにお問合せください。

申込・問合せ|ちいさいおうち
683-0001 鳥取県米子市皆生温泉2-9-36
090-2409-7984(水田)
chisaiouchi@gmail.com

主催|子どもの人権広場
共催|鳥取藝住実行委員会(トット編集部)、鳥取県
助成|令和3年度 鳥取県 アートによる地域活性化促進事業補助金、令和3年度 文化庁 文化芸術創造拠点形成事業、2021年度ごうぎん鳥取文化振興財団

ライター

蔵多優美

1989年鳥取市生まれ。京都精華大学デザイン学部卒業。IT・Web企業数社、鳥取大学地域学部附属芸術文化センター勤務を経て、デザイン制作やイベント企画運営、アートマネージメントなどを修得。「ことばの再発明」共同企画者。2021年5月より屋号「ノカヌチ」として活動開始。「デザインを軸とした解決屋」を掲げ、企画運営PMやビジュアルデザイン制作を得意領域とし、教育や福祉、アート分野の様々なチームと関わり活動中。学校法人鶏鳴学園非常勤講師。現在は「鑑賞教育」と「対話」について考えるのが主な日々。吉田璋也プロデュースの民藝品を制作していた鍛冶屋の末裔。