レポート:シンポジウム 県美・新規コレクション購入の在り方

2025年春(令和6年度中)に開館が迫る鳥取県立美術館。県民の期待が高まる中、アンディ・ウォーホルの作品購入がメディアに取り上げられ「高過ぎる」という疑問の声を皮切りに県美の新規コレクションについて色々と取りざたされています。そんな中、開館の地である倉吉で、鳥取県内外の芸術文化関係者がパネリストとなるシンポジウムが開催されました。トットライター蔵多がその様子をお届けします。


はじめに

「シンポジウム 県美・新規コレクション購入の在り方」とは
2022年10月2日(日)に倉吉文化団体協議会主催で行われた県立美術館のコンセプトを見出すためのシンポジウム 。2025年春に開館予定の県立美術館の新規コレクションについて色々とマスコミに取りざたされている中、どんな美術館にしていくのかをさまざまな立場の県内外の芸術文化関係者がパネリストとなり議論を行った。また、参加者からもさまざまな質疑や意見が出る活発なシンポジウムであった。

どんなディスカッションが行われたか

このイベントは、計羽孝之さん(倉吉文化団体協議会会長)がコーディネーターとなり、パネリストとして尾崎信一郎さん(鳥取県美術振興監)、蔦谷典子さん(島根県立美術館主席学芸員)、押本昌幸さん(鳥取県歌人会)、中山歩みさん(倉吉市立鴨川中学校教頭・美術教師)が登壇した。
まず始めに、計羽さんから今回のシンポジウム開催の流れを説明いただいた。

 

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計羽:日本海新聞紙上に「『県民立』を問う」という連載コラムが始まりましたが、このシンポジウムの狙いは、「県美の提案する優れたコレクション・プランを知っていただき、その先見性と見識の高さを県民の皆さんから敬愛していただく」ことを想定していました。
しかし、県議会で教育長が「収集方針が県民に十分伝わっていなかった」と答弁していますが、正確には「伝えてこなかった」のであり、更に「県民立になるよう、しっかり説明していきたい」と述べたが、説明ではなく「県民立」の意味とその仕組みについて明確にすることが今必要なのです。更に「県民が美術館運営にどうかかわるか」の道筋を示すことが、何よりも重要なのです。これらのことを何も明らかにしないままでは、「県民立」と謳う意義があるのかいささか疑問である。


そして、今回の「シンポジウム討論の柱」が会場に提示された。

①「県民立」とは、なにをどうすることなのか。
②県民主導の立場で、新しいコレクション収集の具体的ルートを作る。
③信頼される優れたキュレーターを育てる責務と責任が県民にある。

この3点を掲げたことについて、計羽さんは、「県の民意を汲み上げる機能が弱かったため、県民が不信感を持ってしまったところから導き出した。何はさておきすべての要因は、学芸員の言説が県民に信頼されるほどに、敬愛の思いが浸透していないからである。この問題をいかに解決するかが、今回のシンポジウムの最終的な目途となる。」と述べられた。
続いて、尾崎さんから基礎提案「美術館における作品収集と県美のコレクションについて」をお話しいただいた。県内で開催されていた「開館カウントダウンイベント レクチャー&トーク」を短縮したものだそうだ。
県美が「未来を『つくる』美術館」というコンセプトを掲げ、「つくる」をキーワードに「人をつくる」「まちをつくる」「県民がつくる」を目指しているということ。美術館の4つの機能(収集保存・調査研究・展示・教育普及)の説明、その第1として「すぐれた作品を収集し、良好な状態で保存し、次の世代に伝えるためのコレクション」を得ることを目指しているということ。県美開館に向けてこれまでの収集方針を拡大、鳥取県の美術を相対化した上でこれまで手に入れていなかった目玉となる作品の収集や、これまで収集対象にならなかった若手作家、評価の定まっていない作家などを評価していくこと。そして、新方針として、「国内外の優れた美術」や「同時代の美術の動向を示す作品」とし、具体的には、「①過去20年間で目覚ましい活動を行った作家」「②鳥取県立博物館の企画展等に参加した作家」「③国内外の公立美術館で発表した作家」などとしていること。そのような流れを踏まえて、購入の手順に即して外部検討委員会を通し、県議会の決定を受けて今回のアンディ・ウォーホルの「ブリロ・ボックス」の購入に至った、と説明をしていただいた。
続いてシンポジストの紹介が行われ、蔦谷さん、押本さん、中山さんよりそれぞれ自己紹介と県美に対する提言が行われた。
蔦谷さんは、元々は米子市美術館で学芸員をされていた経歴の方であり、「県美にも大きな期待を寄せている」と語る。松江市宍道湖の側に立地する島根県立美術館について紹介いただき、以下を話していただいた。

 

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①コレクション方針について
(5つの展示室を示しながら、水を題材とする絵画/日本の版画・浮世絵/陶芸、写真、彫刻など/島根県にゆかりのある作家など)

②指定管理者との関わりについて
(2005年より導入され、学芸部門は島根県の直営、広報や運営・管理部門を指定管理者「株式会社SPSしまね」に委ねる方式。組織の中にサントリーホールディングスが参画しており、大企業の最先端の優れた広報、接客術等が展開され観客の満足度を高めている。受付のための研修は、地域の観光案内にまで広がっていることや受付での対応1つで、美術館の印象はがらりと変わること、対応1つで広く県民が美術に親しむ上質な機会を提供することに繋がる、と語った。)

③コレクションにおける作品購入について
(どこの美術館でも高額の作品購入では大きな問題となるのだが、美術館長の言によれば、問題になればよい宣伝になるとプラス思考をし、時間がたてば問題は解消するとおっしゃっていた。コレクションは、美術の専門家が必死に考えて、市場に出ない作品と、縁あって出会い、客観的な第3者によって検討され選ばれた作品なのです。今の時点での評価だけでなく、10年後、子供たちが大人になる20 年後、50年後、100年後、今生きている人が誰もいなくなっても、コレクションは永久保存なのです。例えば、今回話題に上がっているウォーホルの「ブリロの箱」については、東京で開催されていた美術展では、「美術の歴史をここで変えた」ことを正に示す作品として展示されていた。その作品を鳥取県が所有することとなる。これを今後どのように活用していくかが、今後の課題だと考えている、と語った。)

押本さんからは、鳥取県歌人会という立場だけではなく琴浦町議会議員という立場もあることから、県美を運営するPFIについてお話をいただいた。

 

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押本:県民立と謳うことを、リンカーンになぞらえれば「県民の、県民による、県民のための美術館」となる。これが、本当に現行システムの中で言えるのだろうかと疑問を持つ。島根県の場合は、指定管理者制度で運営に直接県民は関わりません。鳥取県は、当初よりPFI方式(Private-Finance-Initiative)で設計・建築・運営を行うと決定してしまっている。しかし、県議会議員の多くは、PFIの理解が出来ていないのではないかと勘繰ってしまう。PFIとは、設計の段階、施工の段階、建物が完成した後の管理・運営が「鳥取県立美術館パートナーズ株式会社・SPC」という会社が15年間の運営を約134 億円で請け負ってしまっているのです。県から与えられた予算内で、SPCがいかにうまく運営するかが問われているのです。そして、「県民立美術館」を実現するために、建築現場見学会と説明会、美術館の使い方を意見交換する対話会、公募事業のチャンスを作るとしているが、その運営の中に「県民立」という言葉が、又はその意向をすんなり入れることが出来るのか疑問です。県の立場として、学芸部門のコレクションを、運営の材料としてパートナーズ株式会社は赤字にすることはできない。県内外にアピールし、広報を徹底し、倉吉の美術館に人を集めることが出来るのか、人を集めるだけのコレクションの有無、持っているとすればそれを知らしめる力があるのか、そこに、県民の意思が反映できるのか…。運営会社や学芸員の努力もあるが、いかに情報を集めてくるか、運営組織がいかに情報発信していくかが問われることとなる。そのためには、県内の芸術環境の整備がまず必要ではないか。

中学校の美術教師である中山さんからは、コレクションという観点での提言ではなく、学校教育の立場から県美の「アート・ラーニング・ラボ(A.L.L.)」に期待を寄せているという意向で、以下をお話いただいた。

 

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①中学校美術の鑑賞授業の在り方と対話型鑑賞・VTS(1)
(新学習指導要領では、鑑賞領域というものがあり、知識や定まった評価を学ぶだけでなく、自分の見方・感じ方を大切にし、鑑賞を通して言語化活動や学びの力を身につけ、自分の中に新しい価値観を作り出すこととしている。特に対話型鑑賞・VTSで身に付く根拠を持って相手に伝える、という授業を実践していきたい。県立博物館主催でファシリテーター養成講座があり、今後の参加を予定している。)

②授業での取り組み・倉吉のパブリックアートを用いて
(実践している美術鑑賞方法は、知識、タイトルマッチ、作家の作品への思い、共通点の発見・ゲーム、対話型鑑賞など。倉吉博物館近くにあるパブリックアートを用いて、生徒が博物館の学芸員と一緒にみる授業を実践している。彫刻作品の面白さに生徒が触れて感激していたり、生の作品に触れる機会を生み出している。)

③県美「アート・ラーニング・ラボ(A.L.L.)」への期待
(美術館の醍醐味は本物との出会いだと考えている。見るだけでなく「触れる」作品の展示が必要ではないか。茨城県取手市の「たいけん美じゅつ場 VIVA」のような取り組みが良いのではないか。ラーニングセンターとしての美術館とともに、町中がアートであふれることが必要だと考えている。)

会場からの質問と意見交換

ディスカッション後の会場からの質問と意見交換の時間では、様々な立場から意見が飛び交う。筆者が印象に残ったものをいくつか抜粋して掲載させていただきたい。

 

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質問者A:島根県立美術館のコレクションには、ストーリーがある。水をテーマにしたストーリー、そして不昧公の愛した茶の湯・写真のストーリーが脈々と流れている。ところが、県美にはストーリーが見えない。そうした中でいきなりウォーホル「ブリロ・ボックス」がコレクションされた。いきなり何故ウォーホルなのかの説明が必要なのではないか。

尾崎さん:確かに説明不足。近現代の作品を少しずつ増やしたい意向があった。わかりやすいストーリーをとのことだが、今後のコレクションで文脈を作っていく予定。

蔦谷さん: 鳥取県には前田寛治をはじめ優れた画家が排出されている。鳥取という田園的な環境に育った写真の塩谷定好、植田正治にしても、大変前衛的である。この土地柄は、新しいものを生み出してきており、「ブリロ・ボックス」購入と聞いた時、「やった!」と思った。鳥取県には新しいものを求める県民性があると考えており、県内には新しいもの、新しい発想をもたらすものが眠っているのではないか。

質問者B:コーディネーター(計羽さん)から、強圧的な問題提起がなされている。具体的には、コレクション収集方針が伝わっていなかったのではなく、伝えていなかったと書かれている。また、シンポジウムの進め方について、柱に県行政の失敗と書いてある。私もそのように思うが、これに対して、県教委の見解を知らせていただけると問題がはっきりするのではないだろうか。

尾崎さん:収集方針と購入については、県教委の手続きを踏んで決定してきている。その内容を伝えていなかったということについては、説明が不足していたと反省している。

梅田さん(県美整備局長、当日一般参加):おっしゃる通り、作品購入の件については、説明が不足していたと思っている。県議会では、教育長が説明不足を謝罪している。整備局主催で県美コレクション説明会を開催し、ご理解をいただくようにしている。一方、美術作品の収集方針等核心に触れる説明をする機会がなかったのは事実であり、県民と県美は車の両輪のごとく助け合うことをご理解していただきたいと願っている。今更ながらも、説明会を全県3 地区で開催し、理解を深めていただく努力をしている。倉吉市では10人の、鳥取市では13人の方から貴重な意見をお聞きした。米子市でも説明会を開催し、引き続き県民の意見をお聞かせいただきたい。(2)

計羽さん:今回の答弁では、率直な反省の意が示され、好感を持った。教育現場での美術教育の進んだ実践報告に感銘を受けた。子どもたちの美術教育の未来には光が見えましたが、社会人の大人たちの美術教育はどうあるべきかが問題となる。県美応援団組織では、自己啓発のための素晴らしい活動をされているので、その事例をお聞かせいただきたい。

佐伯さん(県美応援団長、当日一般参加):県立美術館が倉吉、中部にできると決まった時から「ここに建ててよかったね」と言われるように地元の人間は願っている。そこで、地元の人間が出来ることをやろうという人が、続々集まり、応援団は活動している。私たちは素人であるが、素人なりに出来ることがあるのではないかと模索しながら活動している。そうは言っても、個々の力量を高めなければならないと、研修を行っている。各地の美術館を回って、運営の仕組みや後援会組織はどんな活動をしているのかを学んでいます。10月23日には、倉敷の大原美術館を見学に行く予定。県民に広く呼び掛けて、大勢の方に参加していただきたい。応援団は中部のみでなく、全県に広げていきたい。

計羽さん:「シンポジウム討論の柱」の①「県民立」の話は、押本さんの発言にあったPFI運営の中に民意をどのように生かすというのか、かなり難しい問題をはらんでいる。なぜなら、諮問委員会の中に民間が入ることは容易ではない。例えば、専門性の高い諮問委員会を公募制にして、小論文審査を通して選出するなどが必要となる。つまり、現状では委員のスキルが問われ、素人の隙いる間はない。したがって、県美が実施してきたシステムを尊重する方がベストでないかと思う。②「県民主導」の問題も同様であり、③「信頼されるキュレーターの育成」は今後の課題であるだろう。島根県ではキュレーターが大切にされている事例がある。「県民から尊敬されている」このことが大事。鳥取県でも、このような美術館環境をつくらなければならない。県美の尾崎さんの仕事ぶりは、とても充実し高い実績を上げていると思っている。まさに尊敬に値するものであり、県民から敬愛されるにふさわしい存在だ。キュレーターたちが本来の仕事を、県民から理解され、応援される土壌を作っていけたらと願っている。

様々なディスカッションが期待されたが、深めた進行をするのは難しく、閉会時間が近付き、会は閉幕した。


筆者から

登壇者の資料を映し出すディスプレイの横に「県民立美術館とは貴方たちのものであり私たちのものなのです!」という言葉が掲げられていた。正にそうであると思うが、「県民立」に具体的に参画するために、わたしたち県民はどんなことをやればいいのだろう。県美の開館が迫る中、新規購入の在り方ばかりに目を取られて良いものだろうか。そういった中で県美側のレクチャー&トークと今回のシンポジウムでは、それだけに言及したディスカッションだけが進められていくのだろうか、と不安があった。

そんな不安を他所に今回のシンポジストの皆さんは、学芸・経済・教育と様々な分野から意見を延べ、多角的に県美の在り方を考えるには有意義な時間だったと言える。一方で「県民立」ということを十分に考えるまではいかなかったのかもしれない。

筆者は、会場からの質問と意見交換の場で、「鑑賞教育」について提言させていただいた。県美が掲げるラーニングの目玉プログラムは、アートスタートして位置付ける小学4年生(または3年生)に向けた対話型鑑賞なのだが、果たしてそれだけで良いのだろうか。小学生以上、ひいては私たち大人がアートについて考え、意見を交わすような対話型鑑賞のようなプログラムがもっと盛んに行われるべきではないだろうか。今回のラーニングセンターが義務教育だけではなく、「アートを通じた学び」とするならば高校生以上の社会的学びの観点でのラーニングプログラムが必要不可欠であり、今回のコレクション購入を活用したプログラム開発を期待したり、そこに私たち県民の知見を活かし、一緒にプログラム開発していくことが「県民立」ではないだろうか。

当日の提言から、さらにいろいろと考えて、今はこのように考えている。

県美は47都道府県において、一番最後(と言われている)の後発の県立美術館だ。また、行政(教育委員会)とPFI事業者(美術館パートナーズ)が手を組むという特色があり、教育的要素が多く展開できる可能性がある。県美が掲げる“すべての人々の「アートを通じた学び」を支援する美術ラーニングセンター機能「アート・ラーニング・ラボ(A.L.L.)」”は正にそのようなことを期待できるものとなるだろう。

ということを踏まえると、真に目を向け議論を交わすのは、購入の在り方なのだろうか。美術ラーニングセンター機能を掲げるのであれば、そこに対しての教育的要素が何か、すべての人々の「アートを通じた学び」とは何かを議論していき、そこに対して「県民立」が生まれていくべきではないのだろうか。県美が目指す特色をわたしたち県民が理解しそこに参画できるような仕組みをしっかりと行政とPFI事業者が打ち出していく。そのような相互性が必要ではないだろうか。

また筆者自身は、鳥取県立博物館美術振興課学芸員・専門員、つまり今後の鳥取県立美術館学芸員・専門員の皆さんのことを非常に優秀な方々だと捉えている。彼らは優秀な展示やワークショップを企画し、美術の面白さを伝えている。その中には現代アートももちろん含まれている。筆者は鳥取市で生まれ育ち、数年前に鳥取にUターンしてきた身である。彼らが企画したものを受け取る鑑賞者である我々、そして鳥取県内で活動する表現者の多くがその背中を見て育っていると考えている。筆者もその一人であり、学芸員・専門員の皆さんとの意見交換はいつだって刺激的だ。

それ故に、今回シンポジウムで「学芸員の言説が県民に信頼されるほどに、敬愛の思いが浸透していないから」と発言があったことやいろんなメディアでの報道を大変悲しく思っている。信頼がないというであれば、皆さんは彼らと対話をしているのだろうか。報道だけの判断ではなく、本当のこと、その場で語られていることは自分自身でしっかり感じ味わっていただきたい。それこそ、この一連の取り組みこそ「鑑賞」という行為であり、「アートを通じた学び」ではないだろうか。

今回のイベントのようなトーク・レクチャー・シンポジウムだけでは各自の提言のみとなり、具体的な実践までには至らないように捉えている。実践を目指すための仕組みづくり・取り組み、プロジェクトデザイン、プログラムデザインといった具体的なものを行政とPFI事業者が連携し、しっかりと活動していく。そのような動きを県美側に期待し、また「トットの美術館プロジェクト」として改めてどんなことを行うのが良いのだろうか、と考える時間でもあった。筆者個人としては、対話型鑑賞を鳥取県内で実践しており、また助成金を得て鳥取県内外の「鑑賞教育」に携わる実践者に対してインタビューリサーチを行っている。自身の調査研究及び対話型鑑賞の取り組みを踏まえ、更なる発展の可能性を考えていきたいし、またトットという場・チームでも何かできたらと思っている。

《おわり》


写真:倉吉文化団体協議会提供


「長ーい祭りの準備プロジェクト」トーク&ミーティング(アートの種まきプロジェクト:地域連携プログラム)

日 時:2023年2月23日(木祝)14:00~16:30
   ・14:00~15:30 アーティスト・トーク
   ・15:30~16:30 交流会「喫茶 学芸室」

会 場:アートの種まきプロジェクトHATSUGAスタジオ(倉吉市下田中町870 中瀬ビル1F エディオン倉吉店隣)
対 象:高校生~大人 
参加費:無料
定 員:25名程度(当日先着順)
主 催:鳥取県立博物館 美術振興課 (美術館整備局兼務)
問合せ:電話 0857-26-8045  ファイル 編集 表示 挿入 フォーマット ツール テーブル 段落


(1)ヴィジュアル・シンキング・ストラテジーズ(Visual Thinking Strategies)の通称名。1980年代にニューヨーク近代美術館(MoMA)で開発された鑑賞教育プログラム「VTC(Visual Thinking Curriculum)」をさらに研究・発展させた教育プログラムである

(2)これ以降、県内で説明する機会は、県内東・中・西部の主要都市だけではなく、岩美町や南部町でも今後開催された。現在も多様な形で県民との対話の場が開催されている。

※この記事は、令和4年度「県民立美術館」の実現に向けた地域ネットワーク形成支援補助金を活用して作成しました。

ライター

蔵多優美

1989年鳥取市生まれ。京都精華大学デザイン学部卒業。IT・Web企業数社、鳥取大学地域学部附属芸術文化センター勤務を経て、デザイン制作やイベント企画運営、アートマネージメントなどを修得。「ことばの再発明」共同企画者。2021年5月より屋号「ノカヌチ」として鳥取市を拠点に活動開始。「デザインを軸とした解決屋」を掲げ、企画運営PMやビジュアルデザイン制作を得意領域とし、教育や福祉、アート分野の様々なチームと関わりながら活動中。対話型鑑賞ナビゲーターとして県内で実践やボランティア活動をする中で「美術鑑賞教育×対話」に関する調査研究に取り組む。2023年度は母校である鳥取城北高等学校で非常勤講師として美術を担当している。吉田璋也プロデュースの民藝品を制作していた鍛冶屋の末裔。