美術館を考え続けるプロジェクト#02 

アートと社会と未来について

「ミュージアム・サロン13・14」

 

鳥取県立美術館の開館を見据えて2016年から県内各地で開かれている「ミュージアム・サロン」が、約1年ぶりに開催されます。2月20日(日)には美術館の建設地である鳥取県倉吉市で、3月5日(土)には鳥取県若桜町で、それぞれゲストと学芸員が「アートと社会と未来について」語り合います。


2025年春、鳥取県立美術館が鳥取県倉吉市に開館します。新美術館には、アート作品を鑑賞する場というだけでなく、人口減少時代の鳥取県の地域再生拠点としての役割も求められています。

そこで、地域社会における文化活動や未来の美術館のあり方について、カジュアルな雰囲気のなかで考え、自由に語り合おうと2016年から開催されているのが「ミュージアム・サロン」です。鳥取県内でクリエイティヴな活動を行うキーパーソンをゲストに招き、前半でその活動内容や背景をお伺いし、後半では参加者も交えてディスカッションを行っています。これまでに県内各地で計12回のサロンを開催してきました。ゲストは、アーティストやデザイナー、編集者、まちづくり事業のディレクターなどさまざまで、多角的なアプローチを試みています。

13回目のゲストは、社会学者で鳥取短期大学国際文化交流学科教授の渡辺太さんです。渡辺さんは近年、民藝運動など鳥取のローカルな文化活動のリサーチなども手がけておられ、そのあたりのお話も踏まえた上での提言が伺えるかもしれません。

また、14回目のゲストには、イラストレーターとして活躍しながら、鹿野や若桜でアーティスト・イン・レジデンスやイベントの企画などの文化活動に取り組むひやまちさとさんをお迎えし、その多岐にわたる活動についてお話を伺います。

そして、「ミュージアム・サロン」は、各ゲストの活動拠点を会場にしているのも見どころのひとつ。
渡辺さんには、倉吉市中心部にある老舗ショッピングセンター「パープルタウン」でお話をお伺いします。2021年秋に創業40年を迎えた「パープルタウン」は、地域活性化策のひとつとして、空きテナントなどを有効活用して人と地域をつなげる「○○不動産プロジェクト」に今年度から取り組んでおり、今話題のスポットです。
ひやまさんの回では、ご自身が運営されているスペース「ギャラリーカフェふく」を会場としてお借りします。若桜町役場前にある元うどん店をリノベーションした空間で、定期的に作品展を開催されているほか、贈り物にぴったりの素敵な品々も取り扱っておられます。アート好きの方だけでなく、地元の皆さんも集まるお店です。

全く異なる雰囲気になるであろう、ふたつの「ミュージアム・サロン」。このまたとない機会に、地域の課題や魅力について、そして、美術館をどういう場所にしていきたいか、一緒に考えてみませんか。新たなアイデアや出会いが、ここから生まれるかもしれません。


トップ画像:ミュージアム・サロン07会場風景(鳥取県立博物館 提供)


「ミュージアム・サロン13」
GUEST|渡辺太(社会学者・鳥取短期大学国際文化交流学科教授)
HOST|赤井あずみ(鳥取県立博物館/美術館整備局 主任学芸員)
日時|2022年2月20日(日)14:00-16:00
会場|倉吉パープルタウン レンタルルーム(鳥取県倉吉市山根557-1)
参加費|無料
定員|20名程度(先着順・予約不要)
問合先|電話0857-26-8045(鳥取県立博物館 美術振興課 担当・赤井あずみ)

「ミュージアム・サロン14」
GUEST|ひやまちさと(イラストレーター・ Gallery cafe ふく主宰)
HOST|赤井あずみ(鳥取県立博物館/美術館整備局 主任学芸員)
日時|2022年3月5日(土)19:00-21:00 
会場|Gallery cafe ふく(鳥取県八頭郡若桜町若桜396)
参加費|ワンドリンク制
定員|20名程度(先着順・予約不要)
問合先|電話0857-26-8045(鳥取県立博物館 美術振興課 担当・赤井あずみ)

■ゲスト・プロフィール
渡辺 太(わたなべ・ふとし)氏
鳥取短期大学国際文化交流学科教授。専門は社会学。地域文化、民俗宗教、社会運動に関心をもつ。著書に『愛とユーモアの社会運動論』(北大路書房)、『既成概念をぶち壊せ!』(共著、晃洋書房)、『芸術と労働』(共著、水声社)、『聖地再訪生駒の神々』(共著、創元社)など。

ひやま ちさと 氏
鳥取市鹿野町で育つ。鳥取湖陵高校卒業後、京都でデザインを、神戸でイラストレーションを学ぶ。イラストレーションを用いたグラフィックデザイナーとして活動する傍ら、2019年には鳥取県若桜町にギャラリーカフェふくをオープン。また、県内各地でのアートプロジェクトの企画運営にも取り組んでいる。

■「ミュージアム・サロン13・14」について
https://www.pref.tottori.lg.jp/283347.htm

■これまでの「ミュージアム・サロン」について
https://tottori-moa.jp/initiative/project/museum-salon/

ライター

トット編集部

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