ウェルビーイングを共創するプレ美術館セラピープログラム
「汽水域アートシェアリング2023」
10月28日(土)・29日(日)開催
驚きや喜びといった様々な感情の共感を促すアートの鑑賞や創造に着目するプロジェクト「汽水域アートシェアリング」。2年目となる今回は、2025年春に開館する鳥取県立美術館が来訪者と住民双方にもたらしうるものの可能性を考えるフォーラムを中心に据えて実施されます。
人が新たな人間関係を築こうとする時、感情の共有までもは難しいもの。しかし、アートの鑑賞や創造を共に行う体験は、驚きや喜びといった様々な感情の共感を促し、人の間に横たわる障壁を溶かしうるのではないか。「汽水域アートシェアリング」は、そうした考えのもと、例えるならば海と川、それぞれに生息する異なる領域の水中生物群が、海水と真水とが混交する河口付近にて互いに交わりながら豊かに共生しうる汽水域のような隔たりのない人間環境を目指す地域創生プロジェクトとして、鳥取大学 地域価値創造研究教育機構の主催で実施されます。
今回は、10月29日(日)に「Art Museum Do It Yourself ! 2023ー私たちの未来をつくる美術館を、いま私たちが描くー」と題してフォーラムが実施されるほか、前日の10月28日(土)には「芸術養生」に関する公開講座や、視覚障がい者と晴眼者が対話を通じて共同で鑑賞していくワークショップも開かれます。
ウェルビーイングを共創するプレ美術館セラピープログラム
「汽水域アートシェアリング2023」
開催日時|令和5年10月28日(土)・29日(日)
[プログラム1 芸術養生 ― 健やかで幸福な暮しづくり・まちづくり活かす芸術体験のあり方]
講師|石田陽介(鳥取大学 地域価値創造研究教育機構 地域創生教育推進室長 / 准教授
地域学部 附属 芸術文化センター 兼任教員)
講座内容|芸術体験は、人に何をもたらしうるのでしょうか。」アートセラピスト(芸術療法士)として精神科病院に勤務した講師は、患者が病院の外においてこそ健やかに暮らすことができる人間関係の構築が急務である現状に気づき、芸術をウェルビーイングなまちづくりに活かす「ソーシャル・アートセラピー」の仕組みづくりを探求してきました。芸術のイメージを共有する「アートシェアリング」の機能性を活かした健やかで幸福な暮しづくりとして「芸術養生」を解き明かします。(公開講座 鳥取大学サイエンス・アカデミー連動企画)
開催日時|10月28日(土)10:30-12:00
会場|鳥取県立図書館 2階 大研修室 (鳥取市尚徳町101)
※米子市(定員25名)、倉吉市(定員20名)、琴浦町(定員10名)、大山町(定員3名)、南部町(キナルなんぶ内)(定員10名)の各図書館にてライブ中継あり
※zoomによる視聴:zoomのURLをお送りいたしますので、必ずメールアドレスを事前に登録してください。当日までにzoomで視聴できる環境をお願いいたします。
講演前日の金曜日午前中までに、zoom視聴のURLが、ご指定のメールアドレスに届いていないようでしたら、17:00までに、下記までお問い合わせください。
※コロナウィルス感染状況および悪天候により、会場での開催ができなくなることもございます。
受講料|無料(要申込)
申込締切| 10月27日正午まで
[プログラム2 視覚を超えたアート共同鑑賞ワークショップ ギャラリーコンパ@鳥取県立博物館2023]
ワークショップ内容|「ギャラリーコンパ」とは、美術館や博物館に視覚障がい者と晴眼者が共に赴き、主に対話を通して視覚芸術とも呼ばれるアート作品を一緒に味わう鑑賞ワークショップです。2005年九州で石田陽介・濱田庄司・松尾さちによって始動し、年3回程のペースで開催を続けています。これまで18年に渡って延べ百人以上の視覚障がいを持つ方々を美術館へと誘い、晴眼者との対話や触感による「視覚を超えたアート共同鑑賞活動」を促し、アートを介した社会包摂(ソーシャルインクルージョン)を支援してきました。目の見える・見えない・見えにくい、という互いの個性を活かしあって行うアート共同鑑賞ワークショップ「ギャラリーコンパ」を開催します。今回は、鳥取県立博物館の美術展覧会(美術をめぐる場をつくるⅤ「赤ちゃんたちのためのアート鑑賞パラダイス」)を共に鑑賞します。視覚を超えたアート共同鑑賞を、ぜひ一緒に体感しませんか?
日時|2023年10月28日(土) 15時-17時
会場|鳥取県立博物館 第3展示室、2階会議室 (鳥取市東町2丁目124)
定員|12名(視覚障がい者3名、晴眼者9名) ※定員に達したため、すでに締め切りました
[プログラム3 汽水域アートシェアリング2023 アートフォーラム Art Museum Do It Yourself ! 2023 – 私たちの未来をつくる美術館を、いま私たちが描く -]
内容|「未来を”つくる”美術館」と謳われ、2025年春に開館する鳥取県美術館では、「アートを通じた学び」を支援するアート・ラーニング・ラボ(A.L.L.)等の教育普及部門の充実が図られる計画です。
本フォーラムでは、美術館の新たなる世界的潮流を見定めつつ、日本の美術館教育をリードする稲庭彩和子氏と、日本における美術館ツーリズムを長年に亘って席巻し国内外の観客を魅了し続けるベネッセアートサイト直島の藤原綾乃氏を鳥取にお招きし、鳥取県立美術館における館長予定者の尾崎信一郎氏と教育普及専門員の佐藤真菜氏と共に、私たちの「未来を”つくる”美術館」を模索し、新たな美術館のビジョンを共に描きます。
日時|2023年10月29日(日) 14時-17時15分
会場|鳥取県立図書館 2階大研修室(鳥取市尚徳町101)
定員|70名(先着順) ※事前申込不要・参加無料
第一部 基調講演 14:00-15:35
講演1
時間: 14:00-14:45
「 来訪者と住民双方のウェルビーイングを育むベネッセアートサイト直島 」
講師:藤原 綾乃 [公益財団法人 福武財団 経営企画部]
講演2
時間:14:50-15:35
「 学び、健康、ケアの拠点として期待される美術館の世界的潮流 」
講師:稲庭 彩和子 [独立法人 国立美術館 国立アートリサーチセンター 主任研究員]
第二部 トークセッション 15:45-17:15
ゲスト
稲庭 彩和子 [独立法人 国立美術館 国立アートリサーチセンター 主任研究員]
藤原 綾乃 [公益財団法人 福武財団 経営企画部]
尾崎 信一郎 [美術館整備局美術振興監/鳥取県立美術館館長予定者]
佐藤 真菜 [鳥取県立博物館 学芸員/教育普及専門員]
コーディネーター
石田 陽介 [鳥取大学 准教授 / ギャラリーコンパ 主催スタッフ]
司会
竹内 潔 [鳥取大学 准教授 / 鳥取藝住実行委員会代表]
講演者プロフィール|
稲庭 彩和子/独立法人 国立美術館 国立アートリサーチセンター 主任研究員
ロンドン大学(UCL) 修士修了。神奈川県立近代美術館、東京都美術 館を経て、2022 年より現職。美術館を拠点とした市民と協働する「とびらプロジェクト」や上野公園の9つの文化施設が連携するラーニングプロジェクト「Museum Start あいうえの」、超高齢社会に対応する「Creative Ageing ずっとび」などを企画。現職では健康とウェルビーイングに関わる企画を推進する。著書として『コンペンちゃんとまなぶ世界の名画』( KADOKAWA2021 )、『 こどもと大人のためのミュージアム思考』(左右社、2022)等。
藤原 綾乃/公益財団法人福武財団 経営企画部
早稲田大学理工学部建築学科卒。2010年 公益財団法人 福武財団に入職、ベネッセアートサイト直島で展開する美術施設の鑑賞プログラムに対話型鑑賞を導入。2018年よりエデュケーションを担当し、幼児からシニア層までを対象にした学びのコンテンツ開発や、ファシリテーター育成に従事。主に学校向け教育プログラムや組織内外の企業向け研修にて対話型鑑賞を活用し、美術作品の鑑賞を通じて自己や他者に気づく内省体験や社会課題について思考するプログラムを目指し実践中。
問合せ・申込先|
鳥取大学地域価値創造研究教育機構(地域連携推進室)
〒680-8550 鳥取市湖山町南4丁目101
TEL|0857-31-6777 FAX|0857-31-6708
E-mail|koken@ml.adm.tottori-u.ac.jp
プログラム1申込ページ|https://www.core.tottori-u.ac.jp/2023/09/08/10779/
フクシ×アートWEEKs2023 連携企画
主催|鳥取大学 地域価値創造研究教育機構
共催|鳥取県教育委員会事務局美術館整備局
協力|あいサポート・アートセンター
運営|鳥取大学アートプロジェクト、野口明生