「BeSeTo演劇祭29+鳥の演劇祭18」開幕!
2025/9/20(土)ー10/12(日) 

鳥取市鹿野町の「鳥の劇場」を中心に、米子市公会堂・とりぎん文化会館(鳥取市)・鳥取県立美術館(倉吉市)もサテライト会場として2つの国際演劇祭が同時開催。1994年以来、日本・中国・韓国が持ち回りで開催してきた「BeSeTo演劇祭」はコロナ禍での3年間の中断を挟み5年ぶりに鳥取が舞台となります。


「BeSeTo演劇祭」は、日本・中国・韓国の三カ国の演劇人の連帯により、1994年以来毎年持ち回りで開催されてきたもの。BeSeToのBeは北京Beijinから、SeはソウルSeoul、Toは東京Tokyoから取られており、2019年以降は鳥取Tottoriを日本の主開催地としています。各国の代表委員が交流を深め、各国あるいは世界の状況の中での演劇の役割を確認しながら開催を継続してきました。

今年は、中国から芥川龍之介の短編を土台にした伝統劇『竹林三昧』と現代的なミュージカルコメディー『シャイニング・フレンズ』を、韓国から1980年の光州事件を題材にした『時を塗る人』と韓国で活躍したアメリカ人医療者を描く『ロゼッタ』を、日本からは兵庫県豊岡市に拠点を定める劇団青年団の代表作『S高原から』、そして鳥の劇場は親子で楽しめる人気作品『梨っこ』を上演します。さらに、日中韓の共同制作『ガラスの動物園』や、演劇を通じた3か国の学生交流の成果もご欄いただけます。

もう一つの「鳥の演劇祭」は、2008年から毎年開催され、鳥取市鹿野町の「鳥の劇場」を中心に町内や近隣にも仮設劇場を設けるなどして地域全体で展開します。これまで国内外の優れた現代演劇だけでなく、サーカス、ダンス、人形劇、障がいのある人も参加する作品、親子で楽しめる作品など多様な舞台作品を紹介してきました。

今年の海外からの招へい演目は2作品。1つ目の『ザ・ミステイクーあやまち』はイギリスの劇作家、俳優のマイケル・ミアーズの作品で、戦争を背景に、原爆の開発に携わった物理学者と、原爆を投下したアメリカ人パイロット、戦時下の広島に暮らした女性の物語が描かれます。

2つ目は、イギリスのカンパニーによる『ミート・フレッド』で、ダウン症の方や学習障害のある方々が俳優として出演しています。人形のフレッドがもらえる手当てが急に打ち切られ、それをなんとかしようと周りも本人も奔走するという作品。子供も楽しめる内容でありながら、人間社会の現代的な課題が反映されています。

国内からは、大阪の「木偶舎」によるセリフのない音楽人形演劇『風土祈』と、静岡の「たきいとやまだの会」による谷崎潤一郎の作品世界を一人語りで描く『刺青』を招へいしています。「鳥の劇場」による鹿野タイムトリップツアー『チドリの夢 デラックス』や、かこさとしの人気絵本が原作の『どろぼうがっこう』、三島由紀夫原作の対話劇『熊野(ゆや)』なども上演されます。各プログラムの詳細や上演スケジュールは特設サイト(https://www.birdtheatre.org/engekisai/)をご確認ください。

上記に加えて、シンポジウムやまち歩き、パーティーなどの関連企画も盛りだくさん。演劇祭の期間だけのカフェやショップも充実し、舞台の豊かさ・魅力を味わいながら、さまざまな新鮮な出会いを楽しめること間違いなしです。この機会をお見逃しなく。


BeSeTo演劇祭29+鳥の演劇祭18

期間|2025年9月20日(土)-10月12日(日)
主会場|鳥の劇場と周辺
サテライト会場|米子市公会堂・とりぎん文化会館・鳥取県立美術館

特設サイトhttps://www.birdtheatre.org/engekisai/

主催|鳥の劇場運営委員会、日本BeSeTo委員会
共催|鳥取県、鳥取市、特定非営利活動法人鳥の劇場
助成|令和7年度 鳥取県 鳥の劇場運営委員会補助金活用事業(一部事業を除く)、鳥取市文化芸術事業に関する補助金(BeSeTo演劇祭29 及び 鳥の演劇祭18開催事業)(一部事業を除く)
芸術監督|中島諒人(演出家、鳥の劇場芸術監督)

問合せ窓口
〒689-0405 鳥取県鳥取市鹿野町鹿野1812-1(鳥の劇場内)
電話・FAX:0857-84-3612
電子メール:engekisai@birdtheatre.org

 

ライター

井澤大介

伯耆町出身。絵に描いたようなインドア人間だが、大学のサークル活動で鳥取市街地のアートギャラリーを知ったのをキッカケに、「学外で人と話す場」としてギャラリーに足を運ぶようになる。在学中、「まちなか美術室」等を企画。最近は「深夜の美術展in鳥取」を鳥取の仲間と開催しながら、人が新たな価値観に触れられる場を作る側としても挑戦している。