つくる、みつける、たのしむ、くらす。
十人十色のとっとりMagazine『+〇++〇』

『+〇++〇(トット)』は、鳥取でみずからの暮らしと文化を作る人のウェブマガジンです。

自然豊かで人も時間もゆったりと流れるこの地で、自分らしい暮らしのあり方を見つめ、そのために必要なものやことを自分自身で作りたい――そんなふうに考える人たちがアイディアを持ち寄り、自分たちが生み出すさまざまな動きを紹介し、繋げ、互いに応援したり、時には誰かの背中を押したりするメディアとして2017年春にスタートしました。

キーワードは「つくる」「みつける」「たのしむ」「くらす」。例えば、地域にいろんな人が集える場や時間を作ったり、自らの表現を追求し生み出したりすること。見慣れた風景の中に驚きや感動を見つけること。食べることや働くことを創造的に楽しむこと。そんな毎日を育みながら暮らすこと――。

東西に広がる土地を持ち、今なお色濃く地域性を残す鳥取のいろんな町で、いろんな人が、今日もここにしかない暮らしと文化を作っている。顔が見える距離に偽りのない言葉を届けてくれる人がいる。思いのままに使える空間がある。仲間ができる。資源がある。余白がある。可能性がたくさんある。

つくって、みつけて、たのしみながら、くらす。そんなことが今よりももっと歓迎されずっと当たり前になるように、『+〇++〇』はこれからも活動していきます。

『+〇++〇』編集部
編集長 水田美世(鳥取藝住実行委員会事務局/2016年~)
副編集長 濱井丈栄(鳥取藝住実行委員会事務局/2016年~)
編集部員 野口明生、磯崎つばさ(2020年~)

アドバイザー 岩淵拓郎(メディアピクニック/2016年~)、鈴木一郎太(アーツカウンシルしずおか/2016、2017年)
ロゴ&ウェブデザイン 三宅航太郎(うかぶLLC/2016年~)
ウェブコーディング 佐々木優依(ササキデザインオフィス/2016、2017年)、小島慎司(2020年~)

会計 雨河亜矢子(NPO法人鳥の劇場スタッフ/2016年~)
監査 齋藤浩文(株式会社まるにわ代表取締役/2021年~)

『+〇++〇』が生まれた背景 〜鳥取藝住祭のこと

『+〇++〇』が誕生した背景には、2014年と2015年に鳥取県全域で行われたアートプロジェクト「鳥取藝住祭」があります。県外・海外から招かれたアーティストが、作品制作を通じて地元住民のネットワークと交ざり合った結果、地域課題に取り組んだり、地域の魅力や資源が発掘されたり、暮らしをちょっと豊かにするヒントが生まれたりしました。外からの視点や発想と、内のネットワークと実行力が交わった取り組みだったと思っています。

一方で、鳥取藝住祭がアーティスト・イン・レジデンス(以下、AIR)※と呼ばれる方法に特化していたことで、あらためて見えてくることもたくさんありました。

それは、AIR以外を用いたさまざまな芸術や文化にまつわる取り組みはもちろんのこと、あたりまえにある環境や日常生活に対する比重の高さ、地域や社会に対して気持ちを持った人の存在や、彼らを下支えし育んできた背景や考え、そして、人や団体のネットワークの力などです。中でも、“人任せにするのではなく自らの手で新たな試みを実践していくんだ”という各地域の心意気が特に印象的でした。

鳥取藝住祭で見出されたものを手掛かりに、2016年6月に私たちは「鳥取藝住実行委員会」を立ち上げました(委員長:2016年~鳥取大学地域学部教授(当時)野田邦弘。2021年~鳥取大学地域学部准教授 竹内潔)。活動の柱に据えたのは独自のメディアを持つこと。公的な後ろ盾は無く、資金もゼロからの状態で何ができるかを考えた際、事務局の水田美世と濱井丈栄のふたりでできる最大公約数がウェブメディアの運営でした。

うかぶLLCの蛇谷りえさんや、ホスピテイル・プロジェクトのキュレーターである赤井あずみさんの発案で、誰でも参加できるオープンな会議を2016年度中に4回ほど実施し、具体的にどのようなメディアを目指すのか、参加者同士の熱を帯びた議論の中でその輪郭を探りました。

この間、アドバイザーとして関わっていただいた編集者の岩淵拓郎さんには、鳥取県内での内側の関係性を繋いでいくと同時に、その面白さが外側の人へも誠実に伝わるよう、ぶれない軸や視点を持つことを教わりました。また、株式会社大と小とレフ(当時。現在、アーツカウンシルしずおか)の鈴木一郎太さんには、鳥取藝住祭で起こった人や物事の動きが今後どのように展開していくことがより好ましいのか、主体性を持ちながらも自分たちを俯瞰し少し先の世界への想像を膨らませることを学びました。

こうしたアドバイスを踏まえ、『+〇++〇』は団体間や人々のネットワークづくりに協力していくとともに、普段見落としがちな日常の中にある創造性をさまざまな切り口で見せることで、鳥取の表現と暮らしを深く堀りさげる市民メディアとしてスタートしました。

加えて、継続して運営する中で見えてきたこともあります。自分たちが暮らす場所で起こっていることを自分たちの言葉で記録し伝えていく「コミュニティ・アーカイヴ」としての有意義性が、この『+〇++〇』には存在するのではないかということです。それぞれの人が自身の言葉を持ち、それぞれの立ち位置から見えること・感じることを発信していくことは、自分たちの歴史を自分たちで残していく行為でもあります。それは『+〇++〇』においては特に、文化や芸術というものが、自分たちの生きている場所で生きている時間の中で、必要不可欠なものだという歴史を刻むことでもあると思うのです。

鳥取という場所で自分たちの暮らしと文化を作り、自分たちの意志でその在り方を示せる、より自由度の高いメディアを目指します。

※アーティスト・イン・レジデンス(AIR):各種の芸術制作を行う人物が一定期間ある土地に招聘され、その土地に滞在しながらの作品制作を行う事業のこと。AIR(エアー)はArtist-in-Residenceの頭文字をとった略称。

『+〇++〇』の名称およびロゴ&ウェブデザイン

『+〇++〇』の名称およびロゴ&ウェブデザインは、うかぶLLCの三宅航太郎さんによるものです。

名称はメディアづくりのオープンな会議の場で、参加者全員が出した名称案50点ほどの中から最終的に選びました。鳥取という固有性を「トット」という音で示しつつ、それ自体は意味を持たない言葉だからこそ、どんなことも包括的に扱えるおおらかさを持たせています。

ロゴは英字の小文字表記の「t」と「o」を、記号の「+(プラス)」と「〇(まる)」で見立て、良い方向に向かうことや、様々なことを肯定していくイメージを付与しています。また、漢数字で「十〇(じゅう)プラス十〇(じゅう)」とも読めることから、キャッチフレーズには「十人十色」という表現を加えました。

『+〇++〇』は一緒に活動する人を募集しています

『+〇++〇』は、鳥取県在住や縁のあるさまざまな立場の有志で構成される仲間が集い非営利で運営しています。

定期的にオープンな編集会議を開き、どんな記事を掲載するかを検討したり、実際に取材に行って執筆したり写真を撮ったりします。また、サイトに直接関係することだけでなく、県内でさまざまな動きを展開する人たちの情報交換や交流の場を作ったり、アートプロジェクトなどのノウハウの蓄積や共有、情報発信のための勉強会、公共施設/教育機関との連携を模索するなどの活動も行っています。

メディア作りという点で、私たちはプロフェッショナルな集団ではありません。それぞれがやりたいことや興味のあることを持ち寄り、できることや得意なことを担当しています。もしあなたが『+〇++〇』に共感し、自分のできる範囲で関わってみたいと思ったら、ぜひ私たちの仲間に加わってください。

活動の中でも大きなウェイトを占める取材や記事の執筆に関しては、取材する対象や内容に興味のある方にお願いしています。編集部がライターと一緒に取材先へ出向き、編集部とライターとがやり取りを繰り返しながらテキストを整えるように心掛けています。またライティング講座などの企画も設けています。

取材した内容の魅力が読み手に伝わるよう、ひとつの作品を共同で作り上げるような気持ちで丁寧に進めています。ライターのご希望があれば気軽にお問い合わせください。

まずは定期的に実施しているオープンな編集会議に参加してみることも可能です。編集会議はFacebook等SNSで告知しています。

お問い合わせは、以下の「Contact us」をクリックしてメールフォームをご利用ください。

Contact us >

鳥取藝住実行委員会について

鳥取県内で、2014~2015年に実施された「鳥取藝住祭(以下、藝住祭)」がきっかけとなり、各地でさまざまな団体が、独自の目標やテーマに基づきアーティスト・イン・レジデンス事業(※)等を展開してきました。藝住祭終了を受けて活動が休止する事例や団体自体が消滅した事例も存在する一方、その後も形を変えながら活動を継続する動きや、そうした周囲に影響を受け新規に活動をスタートさせる新たな団体などもあり、それぞれに試行錯誤を続けています。

私たち鳥取藝住実行委員会は、藝住祭が無くなった後においても、各団体のネットワークを繋ぐ目的で2016年に設立しました。広報的な役割を担い、またアーカイブ能力を相互に高めていけるようにとウェブサイト「+○++○(トット)」を2017年に立ち上げました。以後の5年間は、県内の芸術や文化活動を伝えるサイトとしての周知を広げてきました。

2022年からは、「鳥取クリエイティブ・プラットフォーム構築事業」をスタートさせ、これまでの活動で育んだ人的ネットワークを最大限に活性化し、団体や行政の取り組みとの綿密なコミュニケーションをとりながら文化政策のあり方も民間から考えていきたいと思います。様々な創造的な活動を行う団体や個人が、この鳥取という場所で持続的に運営できる仕組み作りに取り組み、芸術文化に携わる多くの団体や個人が相互に知見を共有し、いくつかのアプローチを並行して行いながら実現を目指しています。

【鳥取藝住藝住実行委員会の会員団体】※2023年12月現在
1 ホスピテイル・プロジェクト実行委員会 http://hospitale-tottori.org/
2 ことるり舎(浜村温泉湯けむり映画塾)
3 NPO法人鳥の劇場 https://www.birdtheatre.org/birdtheatre/
4 岩美現代美術展実行委員会 
5 明倫AIR実行委員会
6 AIR475
7 こっちの大山研究所 https://www.itonamidaisenartfestival.com/
8 鳥取夏至祭実行委員会 https://tottori-geshisai.jimdosite.com/
9 一般社団法人いなば西郷工芸の郷あまんじゃく https://315amanjakuhp.wixsite.com/315amanjaku
10 鹿野芸術祭実行委員会 https://shikanoart.com/
11 SENRO 
12 鳥取R29フォトキャラバン実行委員会 https://road29photocaravan.tottori.jp/

各種規定などの書類 >