鳥取×スウェーデン 工芸で交流
展示発表会 3月7・8日開催
スウェーデンのヨーテボリを拠点に活動する6名のアーティストが、3週間に渡り鳥取県に滞在。県内の工房など巡って工芸や文化に触れ、インスピレーションを得て、作品制作に取り組んでいます。3月7・8日は、滞在制作を行っている鳥取市鹿野町で制作途中の作品を公開します。
鳥取市鹿野町で滞在制作を行っているのは、金属彫刻、木工、写真、陶芸、テキスタイルなど、さまざまな専門分野や表現手法を持つ6名のアーティストです。
彼らが鳥取県に来ることになったきっかけは、数年前、鳥取県の民工芸品等の海外販路開拓を支援している株式会社コミューナの齋藤高晴さんが、スウェーデン・ヨーテボリで活躍する日本人アーティストの平田章悟さんと出会ったこと。平田さんは2016~18年にかけて久留米絣とスウェーデンのクラフトを掛け合わせて新しい布をつくるプロジェクトを実施しており、そのような取り組みを工芸が盛んな鳥取県でもできないかと、齋藤さんが平田さんに相談したことがきっかけでした。
鳥取県に幅広いジャンルの工芸が根付いていることを知った平田さんは、ヨーテボリでユニークな創作活動をしているアーティスト達に声をかけ、6名で来日。2025年2月下旬から鳥取県に滞在しています。
まず、はじめの10日間をリサーチ期間とし、米子市の染物店、倉吉市の陶芸工房、鳥取市の和紙工房、智頭町の藍染工房など、23か所の工房や工芸品事業者を訪問しました。
この時の印象を、アーティスト達は「鳥取県は、山があって、谷や川があって、すごく景色がきれいな場所。伝統として長く工芸をやっていて、技術のレベルも非常に高い」(セバスチャン・コック氏/フォトグラファー)、「地域ごとにいろいろな資源があり、その場所ならではのものが作られる工芸品に反映されていることが非常におもしろい」(ソフィー・カールソン氏/テキスタイルアーティスト)などと語ります。
そして、鳥取に来て得た学びとインスピレーションをもとに、その後の10日間で、自分たちの表現による新しい作品を制作。また、アーティスト達それぞれが県内の作家や事業者とコラボレーションして共作にも取り組みます。
例えば、陶芸アーティストのクラーラ・ロード氏は、八頭町の因久山焼の工房から土を分けてもらい、スウェーデンのスタイルの食器をつくることを構想。テキスタイルアーティストの平田章悟氏とソフィー・カールソン氏は、境港市の工房ゆみはまで一緒に新たな絣づくりができないかと話を進めているところだといいます。
今回のプロジェクトでは、鳥取での滞在制作を経て、各アーティストが帰国後も制作作業を続け、作品は2025年秋に「ヨーテボリ国際ビエンナーレ」のプログラムの中で展示される予定です。
完成作品に出会えるのはもう少し先ですが、鳥取でのクラフト交流と滞在制作の成果報告として、3月7・8日の2日間、鳥取市鹿野町のアートCUBEクチュールシカノで展示&発表会を開催します。8日にはアーティスト達によるトークも行われます。
海外のアーティストの目から見た鳥取県の工芸の魅力、スウェーデンの工芸との違いや共通点、今回のプロジェクトで制作する作品についてなど、幅広いお話を聞くことができるはず。当日は通訳が付き、スウェーデンのお菓子の振る舞いもあります。鳥取でスウェーデンのアーティスト達との交流できる貴重な機会をぜひお楽しみください。
写真:Sebastian Kok セバスチャン・コック(フォトグラファー)
参加アーティスト|
Esbjörn Grip エスビョーン・グリップ(木工・木彫・ドローイング)
Shogo Hirata 平田章悟(テキスタイル・紙)
Sofie Karlsson ソフィー・カールソン(テキスタイル)
Sebastian Kok セバスチャン・コック(写真・絵画・アーカイブ)
Klara Lord クラーラ・ロード(陶芸)
Sara Wallstedt サラ・ウォルステッド(金属彫刻)
鳥取・ヨーテボリ クラフトエクスチェンジプロジェクト2025
◆プロジェクトについて
https://www.instagram.com/tottorigoteborg_craft/
<展示&発表会>
日時|2025年3月7日(金)8日(土)12:00-17:00
会場|アートCUBEクチュールシカノ(鳥取市鹿野町鹿野1321)
料金|無料
*全日アーティスト在廊
<プレゼンテーション>
日時|2025年3月8日(土)14:00-17:00
料金|無料
*フィーカ(スウェーデンのお菓子・軽食)付
協賛・助成
NPO法人いんしゅう鹿野まちづくり協議会
奥心舎
スウェーデン芸術家助成委員会
エストリッド・エリクソン財団