Exhibition AIR475 2024
鎌田友介 あなたはもう思い出せない
7月19日(金)-8月4日(日)
白川昌生 出雲神話はアートになる
8月9日(金)-8月25日(日)

鳥取県西部のまち米子市を拠点に、国内外の第一線で活躍するアーティストやキュレーターによるサイト・スペシフィックな作品制作やプロジェクトを実施してきたAIR475(エアヨナゴ)。2023年度のリサーチと滞在制作を経て、2024年度はふたりの現代美術作家がそれぞれの個展を米子市美術館で展開します。


鎌田友介さんは〈あなたはもう思い出せない -You don’t remember anymore-〉と題し、7月19日(金)から個展をスタートさせます。建築が解体された後、そこに何が建っていたのか思い出せなくなる現象と、近代日本において起きた様々な事象 (植民地主義、移民政策、戦争)に対する忘却を重ね合わせ、米子の古い日本家屋と日本国外(韓国、台湾、アメリカ、ブラジル)に建設された日本家屋のイメージを重ねる写真、映像、インスタレーシ ョン作品を展示。もう「思い出せない」ことへの抵抗、そして米子を起点として複数の歴史への回路を開いていくことを試みるとのこと。

白川昌生さんは8月9日(金)から〈出雲神話はアートになる〉というタイトルのもと、鳥取や米子で、大正期から現在までの中で活躍した複数の人物の歴史を、出雲信仰の視点からとらえた作品を展開するとのこと。12点の平面と記述作品によって、中国地域のみならず、全国の歴史、風土の深層の中から現在に蘇る出雲信仰のあり方を示す内容となりそうです。

AIR475(エアヨナゴ)は2013 年の活動開始以来、これまで 10 名のアーティストやキュレーターを招き、米子にてリサーチ、滞在制作および展覧会を実施してきました。プロジェクトの過程を通して米子市を中心 とした地域の資源(歴史、文化、風土)を発掘し活用することも目的として継続されています。2023年3月にはその長年の活動が評価され米子市文化奨励賞を受賞しました。脂ののった活動の成果をぜひご覧ください。


鎌田 友介 / Yusuke Kamata
1984 年生まれ。2013 年 東京藝術大学大学院先端芸術表現修了。歴史や社会の状況を反映するとともに、国家の文化やアイデンティティ形成のツールにもなる建築をテーマに美術と建築を横断する活動を続ける。近年は日本占領下の韓国や台湾で作られ日本家屋やアメリカ合衆国で焼夷弾実験のために作られた日本村の設計などの調査を通し、異なる歴史的背景と場所において日本家屋が孕んだ多様な意味を描き出すプロジェクトを手がける。近年の主なグループ展として、《ホーム・スイート・ホーム》国立国際美術館(2023)、《Collection Highlight》福岡市美術館(2023)、《福岡アートアワード受賞記念展》福岡市美術館(2023)、《買上展》東京藝術大学 美術館(2023)、《Time walking on memory》 Oil tank culture park〈韓国〉(2022)、《釡山ビエンナーレ 2022》釡山現代美術館(2022)、《メディウムとディメンション -Liminal》柿の木荘〈東京〉(2022)、《Spinning East Asia Series II: A Net (Dis)entangled》CHAT〈香港〉(2022)、《VOCA2022》上野の森美術館 (2022)など。 https://www.yusukekamata.com/

白川 昌生 / Yoshio Shirakawa
1948 年福岡県北九州市戸畑生まれ。1970 年代にフランス、ドイツで哲学と美術を学ぶ。1981 年デュッセルドルフ国立美術学卒業。修士称号を受ける。1983 年に帰国後、群馬を拠点に自らの住む場所をテーマに制作活動を行う。近年の主な展覧会として、個展《白川昌生展 ここが地獄か、極楽か。》原爆の図 丸木美術館、(2021)、《表現の生態系 世界との関係をつくりかえる》アーツ前橋(2018)、《個展 – 消された記憶 – 長崎 / 群馬》コンセプトスペース(2018)、《群馬の美術 2017─地域社会における現代美術の居場所》群馬県立近代美術館(2017)、《ミュージアムとの創造的対話 vol.1─誰が記憶を所有するのか? Monument/Document》鳥取県立博物館(2017)、《あいちトリエンナーレ 2016─虹のキャラヴァンサライ》(2016)など。制作活動と並行して美術および社会制度を問う著作も手がける。主な著書に『美術・神話・総合芸術 :「贈与としての美術」の源へ』水声文庫(2019)、『美術館・動物園・精神科施設』水声文庫(2010)、『美術・マイノリティ・実践 もうひとつの公共圏を求めて』水声社(2005)など。


Exhibition AIR475 2024
鎌田友介〈あなたはもう思い出せない -You don’t remember anymore-〉
2024年7月19日(金)-8月4日(日)
白川昌生〈出雲神話はアートになる〉
2024年8月9日(金)-8月25日(日)

会場|米子市美術館 第3展示室(鳥取県米子市中町12)
開館時間|10:00-18:00
観覧料|無料
※休館日 = 水曜
※8月5日(月)-8月8日(木) は展示替えのため閉室
主催 |AIR475(エアヨナゴ )
共催 |鳥取県、米子市、米子市教育委員会、一般財団法人米子市文化財団 米子市美術館・米子市立山陰歴史館、鳥取藝住実行委員会

パブリックプログラム
※まち歩き以外は申込み不要。また「Art & Breakfast」と「五十嵐太郎さんと行く!AIR475まち歩き」以外は参加無料。
※最新情報をAIR475 facebook 等でご確認のうえご参加ください。
■開会式
7 月 19 日(金)9:30- 米子市美術館 1 階ホール
■鎌田友介|ギャラリートーク
米子で生み出された作品について、アーティスト本人がご紹介します。
7 月 19 日(金)10:00-11:00 米子市美術館第3展示室
■鎌田友介|失われゆく建築研究所
海外での調査資料や作品原画など鎌田さんの作品の源泉になっているものや、学生の調査研究などを展示します。
7 月 20・21・27・28 日、8 月 3・4 日(土・日) 10:00~18:00 岩倉ふらっと(米子市岩倉町52)
■鎌田友介・白川昌生|アーティスト・トーク
米子での滞在制作を振り返り、制作された作品や自身の活動についてお話を伺います。
7 月 20 日(土)19:00- わだや小路(米子市糀町 1-10)
■三田村光土里| Art & Breakfast @yonago city museum of art
朝食を通してアーティスト滞在先の環境やそこに住まう人々と出会うことを目的としたプロジェクトです。コーヒーと軽食を用意してお待ちしています。今回は鳥取藝住実行委員会の「もちよりパーティー」という設定でもあります。
7 月 21 日(日)9:00-11:00 米子市美術館 前庭
※雨天、荒天時はHARI(米子市法勝寺町65) へ変更。参加費として実費をいただきます。
■五十嵐太郎さんと行く! AIR475 まち歩き & トーク
建築批評家で美術にも精通する五十嵐さんと、米子のまちなかにある “失われゆく面白きもの” を探します。まち歩きをネタに、鎌田友介さんも交え「まち、建築、アート」についてお話いただきます。
[まち歩き]
8 月 3 日(土)15:00-17:00 米子市美術館前集合
※少雨決行。参加費1000円(冷たいお茶、お菓子付)、定員10 名(要申込)
[トーク]
8 月 3 日(土)18:30-20:30 米子市公会堂ホワイエ(米子市角盤町2-2-61)、定員 50 名
■白川昌生|ギャラリートーク
米子で生み出された作品について、アーティスト本人がご紹介します。
8 月 10 日(土)14:00-15:00 米子市美術館第3展示室
■白川昌生|アーティスト・トーク
米子で制作された作品のこと、地域とアートをつなげる 美術活動について、また美術、社会制度に対する批評等を交えお話を伺います。
8 月 11 日(日)18:00-20:00 米子市美術館 1 階ホール
■AIR475 まち歩き in 加茂川祭り
地蔵盆をルーツに毎年開催される加茂川祭りを体験しながらまちを歩きます。
8 月 24 日(土)16:00-18:00 米子市美術館前集合
※少雨決行、定員10 名(要申込)

問合せ・申込
AIR475事務局 info@air475.com 090-7810-1347(来間)
https://www.facebook.com/air475/

ライター

トット編集部

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