トリムジカ・プレイリスト #2
村瀬謙介(DJイベント「ROCK CRIME」主催)

例えば、夏の浦富海岸を車で走らせながらカーステから流れる◯◯◯◯とか、冬の大山スキー場で凍えた手をカイロで温めながらイヤホンで聴く◯◯◯◯とか……。ここにしかない時間と風景の中でこそ聴きたくなる音楽があります。毎回、鳥取屈指の音楽好きたちが登場し、鳥取のさまざまなシチュエーションにぴったりな音楽をセレクト、珠玉のプレイリストをお届けします。名付けてトリムジカ・プレイリスト。
今回は、鳥取市のクラブ「LUZ69」で10年以上前から毎月DJイベント「ROCK CRIME」を開催している村瀬謙介さんが、雨の鳥取がもっと楽しくなる11曲を選んでくれました。


今月のプレイリスト:雨の鳥取を楽しむ、アーティスト9組の11曲

昔から「弁当忘れても傘忘れるな」という言い伝えの言葉があるほど、天気が変わりやすく、雨の日が多い鳥取。今年も梅雨入りし、より雨の多い鳥取となりました。これまで何千、何万曲と聴いてきた6月生まれの村瀬が、雨の日に聴きたくなる曲をご紹介します。辛いことがあると、まるでドラマのように雨が降るなんてこともある僕ですが、そこにそっと寄り添ってくれたり気分を変えたりしてくれる曲を選びました。

1. NICO / Lucy Van Pelt
1998年にリリースされた現advantage Lucyのミニアルバムから一曲。朝起きて雨が降っていてもこの曲を聴くと憂鬱にならない。それどころか雨の音、匂いを感じられて好きな曲です。

2. リリー / アナタキコウ
大阪出身のバンド。今はボーカル・ギターの方1人だが、私が大阪で暮らしていた当時は3人組で、よくライブに行かせてもらいました。自分に音楽の影響を与えた鳥取の先輩が教えてくれた思い入れのある曲です。歌詞にも6月と出てくるまさに梅雨ソング!

3. 雨の魔法が解けるまで / Polly
宇都宮で結成された4人組バンドの、2015年の曲。メロディーだけでも雨の日を想像させるミュージシャンは、つくづくすごいなと思います。歌声もウィスパーボイスで、アップテンポなのに優しい曲です。

4. Have You Ever Seen The Rain / Creedence Clearwater Revival
邦題「雨をみたかい」。今では雨の日の曲はコレというようにいたるところで聴きますが、当時はベトナム戦争で使われたナパーム弾を歌った歌じゃないかということで発売中止になった事も。実際にはバンドの崩壊を天気雨になぞらえ示唆した歌。

5. Raindrops Keep Fallin’ On My Head / B.J.Thomas
映画「明日に向かって撃て!」の挿入歌。作曲はバート・バカラック。軽快なメロディで、雨の日だけではなく、困難が降りかかった時にもこの曲を聴けばちょっとは元気が出ます。

6. Singin’ In The Rain / Gene Kelly
「時計じかけのオレンジ」や「The Artist」など数々の映画でオマージュされるミュージカル映画の名作「雨に唄えば」で、土砂降りの中、主人公がタップダンスをしながら歌うあの曲。見方次第で雨を嫌うか、雨の中で踊るかは選択できるというメタファーでもある。

7. Rain Of July / Man With A Mission
初めてマンウィズのライブを見た時、野外で土砂降りだったなぁ。あの狼たちは雨とか関係ないみたいです。鳥取では7月は降っても月の前半くらいなもので、雨の雰囲気が好きな僕としては梅雨が終わるのが少し寂しい感じがします。

8. Why Does It Always Rain On Me?  / Travis
「何で僕がいるところはいつも雨が降るの?」と歌う、今やビッグバンドになったスコットランドはグラスゴーのトラヴィス。グラスゴーでは鳥取と同じく1年を通して雨が多く、トラヴィスがこの曲を演奏すると雨が降るとも言われている。鳥取でいうとしゃんしゃん傘踊り?

 9. 蝉時雨・夏の幻・雨音 / ココロオークション
9つ目は3曲まとめて同じバンドから。まず「蝉時雨」を聴いてもらって、同じくこのバンドの「夏の幻」という曲を聴いてもらい、最後に「雨音」という曲を聴いてほしい。というかMVを観ていただきたい。ボーカルが寺島拓篤に似ているのも好印象。さて、梅雨が明けたら夏が来るぞ!


村瀬謙介(DJイベント「ROCK CRIME」主宰)
大阪からのUターンで鳥取へ戻り、フリーペーパーの営業・編集やBAR経営を経て、2015年8月より鳥取大学地域学部サテライトキャンパスSAKAE401で勤務。趣味はデザインに映画に音楽にと(本来の)サブカルを中心にかなり雑食。音楽で鳥取を盛り上げられないかとDJイベント開催や、音風景と打ち込みを合わせた楽曲を制作中。

ROCK CRIME
2006年より毎月第4金曜日の夜に開催しているDJイベント。洋楽・邦楽、新旧問わずROCKを中心にあらゆるジャンルが楽しめる。
http://rockcrime.amebaownd.com

鳥取大学地域学部サテライトキャンパス SAKAE401
まちなかで活動している一般の方と鳥取大学の学生や研究者とをつなぐサテライトキャンパス。イベント予約のない日はフリースペースとして開室している。
鳥取市栄町401本通ビル3階
開室時間:10:00-18:00
定休日:日曜日・月曜日・祝日
TEL・FAX:0857-30-4385
http://sakae401.weebly.com

ライター

トット編集部

当ウェブマガジン編集部。鳥取の今をアートやカルチャーの視点から切り取ってお届けします。不定期に集まり、運営方針や記事内容の検討などをする編集会議を開いています。随時メンバー募集中!