波田野州平
映像みんぞく採集
#3 空中庭園

映像作家の波田野州平を中心に結成された記録集団「現時点プロジェクト」が鳥取県の各地を巡って、観光案内では紹介されない(されるはずのない)場所や物事に熱視線を注ぎ、映像でレポートを提出します。日々の視界を少しだけ広くする報告書。お忙しい1日の隙間にご覧ください。


アパート暮らしにも見切りをつけて、郊外に庭付き一軒家を建てて老後はイングリッシュガーデンに友人を招いてアフタヌーンティーを。というのは何も都会暮らしの人だけが見る夢ではない。地方の旧市街でも庭つき一軒家の夢は同じである。路地が入り組み肩寄せ合う家々の隙間にひと鉢でも置ける空間を見い出せば、たとえ橋の上でも屋根の上でもそこは庭になる。そして路地の庭は縦を志向して地上を離れ空を目指す。いついかなる場所に暮らしても、私たちには庭が必要だ。


この先人たちのあくなき欲求を見習って、我々もどんどん路地の緑化計画を進めましょう。
それではまた次の隙間でお会いしましょう。

ライター

波田野州平

鳥取生まれ東京在住。辺境と中央を往復して制作(映画を作ったり、ライブを撮ったり、ミュージックビデオを作ったり)しています。今は記録メディアとしての映像の役割にとても興味を持っています。