八頭・船岡竹林公園でインスタレーション!夜は灯りで幻想的な空間演出も

鳥取県八頭町の船岡竹林公園で、今月7日(土)、8日(日)、華道家・内藤満里子さんが笊(ざる)や籠(かご)など竹でできた生活用品や手ぬぐいなどを使ってインスタレーションを行います。一般公開を前に、地域の人たちと一緒に公開制作を行いました。


秋が深まってきた10月上旬、公開制作に参加したのは、船岡小学校の児童と保護者、まちづくり団体のメンバーなど約20人です。華道家・内藤満里子さんの指導の下、風車を組み立てる作業を行いました。朱色のフィルムで作った羽の部分を竹串に挿し、固定していきます。風車はすべて朱色。朱は、赤とんぼ、夕焼け、曼珠沙華などの原風景を思い起こさせる色として、こだわって使っています。全員で400個を制作しました。

制作者の内藤満里子さん

内藤さんは、鳥取県八頭町出身。10歳から生け花をはじめ、現在は愛知県を拠点に、華道と茶道を中心に日本で古くから受け継がれてきた暮らしの風習を伝える活動をしています。
2011年からは鳥取県内で作品制作を行い、これまで鳥取市用瀬町、若桜町、八頭町の古民家や廃村などでインスタレーションの作品を発表してきました。今回は、個人や団体と地域をつなげる活動をしている「一般社団法人SENRO」と、八頭町隼地区の地域活性化団体「隼創生会」の協力で、船岡竹林公園でのインスタレーションが実現しました。

船岡竹林公園

会場の船岡竹林公園は、国内外の珍しい竹や笹200種類ほどが植林されている、国内有数の竹林公園です。全体が緑に覆われた素晴らしい自然環境がある一方で、内藤さんは創作する上での苦労を「竹はどれも真っ直ぐ上に向かって伸びていて、どこまでも同じ風景が続いて難しい」と語ります。

この日みんなで作った風車は竹林の中に配置するほか、竹でできた笊や籠などの生活用具や日本手ぬぐいなどを地域の人たちに呼びかけて集めており、空間づくりに活用していくことにしています。

内藤さんは、「遊歩道の左右に作品を配置して、足をとめてじっくり見てもらえるものにしたい。誰もが自然の中を走りまわったり、物語の世界に夢を膨らませたりした思い出を持っていると思うので、懐かしい思いや香り、人を思い出してもらえるような想像力をかき立てる作品を作りたい」と話していました。

また、隼創生会のメンバーのひとり垣本雅史さんは「作品作りに参加することで、アートや芸術に関心を持つきっかけになる。いつもの見慣れた風景に少し色が入るだけでも雰囲気が変わる。違う視点で見ることで故郷にもいいものがあるということを感じてもらえればと思う」と地元での取り組みに期待を寄せていました。

インスタレーションは10月7日(土)、8日(日)の2日間開催され、音楽ライブやトーク、灯りの演出なども行われることになっています。


内藤満里子インスタレーション
かぐや姫・やわらかな光の記憶 ~月夜の夢に耳をすまして~

日時|10月7日(土)10:00-18:30
10月8日(日)10:00-16:00

<イベントスケジュール>
7日(土)
14:00-15:00 ノーザンクロスパーキングライブ
15:00-16:00 サプライズライブ
16:30-17:00 内藤満理子さんギャラリートーク
17:30-18:30 灯りの演出
8日(日)
13:00-14:00 福井荒神太鼓演奏

会場|船岡竹林公園(鳥取県八頭郡八頭町西谷564-1)

入場料|大人1,000円、中高生500円、小学生以下無料
※7日、8日の2日間有効な通し券になります

問い合わせ|一般社団法人SENRO 090-6834-2354 senro.info@gmail.com
隼創生会|050-5879-7309 info@hayabusa-sousei.club

Facebookページ|https://www.facebook.com/join.senro/

ライター

濱井丈栄

1979年広島市生まれ。フリーアナウンサー。元NHKキャスター・リポーター・ディレクター。広島・鳥取・東京に勤務し、自ら取材し自分の言葉で伝えることを生業にしてきた。2014年、夫の転勤で再び鳥取へ。同年立ち上がった「鳥取藝住祭」の事務局にたまたま声をかけられたことをきっかけに、アートをいかした地域づくりに関わるようになる。最近の趣味は、さまざまな作家さんのワークショップに行くこと。特にものづくり系が好き。photo:田中良子