〈鳥取銀河鉄道祭〉について語る公開ミーティング
「カフェ・ミルキーウェイ」毎週開催中

鳥取県総合芸術文化祭・とりアート2019 のメイン事業となることが決まった〈鳥取銀河鉄道祭〉。宮沢賢治作「銀河鉄道の夜」の物語をベースにしながらも、鳥取県内の魅力的な人々や動きなどを集め最終的に舞台公演を構成していく試みです。プロジェクトについて語らう場として「カフェ・ミルキーウェイ」が毎週開かれます。


初の公募で決定した「とりアート」メイン事業
鳥取県総合芸術文化祭・とりアートは、県民自らによる総合的な文化・芸術の祭典として2003年から毎年開催されているもの。東・中・西部が持ち回りで実施するメイン事業と、3地区それぞれが企画する地区事業とに大きく2つに分かれます。これまでいずれの事業も各実行委員会が中心となり内容の検討が行われてきましたが、2019年度のメイン事業より公募制となることが決まりました。
〈鳥取銀河鉄道祭〉はその第1弾となります。2019年秋の鳥取市での舞台公演に向けて、様々なリサーチプロジェクトが2018年より県内各所で動き出しています。

未完のまま「完成」とした物語
「銀河鉄道の夜」は子ども向けの童話として宮沢賢治が遺したもの。主人公ジョバンニが友人のカンパネルラとともに銀河の中を汽車に乗って旅をするお話です。物語の途中には数文字の空白や原稿の抜けが所々にあり、1933年に亡くなるまで推敲を繰り返していたことが分かっています。書き終えることで完成とするのではなく、書き直し続けていくこと、考え続けていくことこそ重要だという思いから、未完のまま「完成」とされている不思議な物語です。
独特のリズムや音色を持った言葉が美しい風景や登場人物たちを紡ぎ、生と死を巡る様々なメッセージを伝えている「銀河鉄道の夜」。いかような解釈も寛容性をもって受け入れる力や壮大な世界観が年代を問わず多くのファンを生んでいます。

舞台公演に向けたプロセスを「祭り」として示す
そんな物語をいま、鳥取という場所に読み替えて再現したい、そう考えて企画されたのが〈鳥取銀河鉄道祭〉。2019年の舞台公演に向けたプロセスを「祭り」として示します。この祭りの中でいったいどんなことをやろうとしているのか。宮沢賢治はどんな思想の持ち主なのか。なぜいま鳥取で「銀河鉄道の夜」なのか。とりアートってそもそも何のためにあるのか。そういった様々な問いに向き合い、一緒に何ができるかを考えていく場が「カフェ・ミルキーウェイ」です。
宮沢賢治について知りたい、深く語り合いたい、自分も動きに関わりたいという方はもちろん、「銀河鉄道の夜」を読んだことはないけれど、集う人たちの話を聞いてみたい方も大歓迎とのこと。鳥取市内で毎週火曜日の夜を基本としながらも、時々イレギュラーに曜日をずらして開催予定。気が向いた夜には気軽に顔を出してみてください。


「カフェ・ミルキーウェイ」
今後の開催日程:
8月14日(火) ことめや(鳥取市瓦町527)
8月21日(火) 赤井バー(鳥取市今町2丁目201 Y Pub&Hostel 上)
8月29日(水) ことめや

時間:19:00 – 21:00
会場:鳥取市内
定員:なし、途中入退席自由
会費:無料
※毎回会場が変わります。お越しの際はご確認ください。
問い合わせ:鳥取銀河鉄道祭実行委員会(担当:木野、野口)
E-mail. gingatetsudou.tottori@gmail.com

鳥取銀河鉄道祭
〈鳥取銀河鉄道祭〉は鳥取県総合芸術文化祭・とりアート2019のメイン事業です。この公演では、宮沢賢治の名作「銀河鉄道の夜」を題材にした祝祭的移動型音楽劇「鳥取銀河鉄道(仮)」を県内全域で展開していきます。また「すべての人が芸術家である」という賢治の思想に基づき、県内様々な地域での活動や人々の暮らしを星座に見立てた88のトピックスで紹介していきます。これらは終着点である2019年11月の鳥取市内での本公演へと繋がっていきます。
https://www.facebook.com/Gingatetsudou.Tottori/

ライター

トット編集部

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