レポート:「絵衣 ekoromo」岩瀬ゆか・MMM MADE

鳥取県若桜町のGallery cafe ふくにて現在開催中の展示「絵衣 ekoromo」。画家の岩瀬ゆかさんと布で造形を行うMMM MADE(エムエムエム メイド)さんのふたりによる展示です。
トット編集部の野口が、ギャラリー企画を担当するひやまちさとさんにお話を聞きながら観た展示のレポートをお届けします。


若桜町のGallery cafe ふくにて開催されている展示「絵衣 ekoromo」に足を運んだ。
5月8日から6月28日まで行われているこの展示は、画家の岩瀬ゆか(トップ写真右)、布で造形を行うMMM MADE (エムエムエム メイド/トップ写真左)による二人展だ。

Gallery cafe ふくは、イラストレーターのひやまちさとさんをはじめ、企画ごとにランチやカフェを担当する複数人のチームで運営されており、若桜町の中心地、本通り沿いにある。昨年7月のオープン以来、おおよそ2ヶ月に一度のペースで企画展を行ってきた。

ギャラリー企画を担当するひやまさん自身が大阪で作家活動を行なってきたこともあり、これまで関西圏の作家を鳥取県内に紹介することが行われてきた。岩瀬ゆか、MMM MADEらもまた関西の作家である。かつて鳥取と姫路を結ぶ若桜街道の宿場町「若桜宿」として発展した町の歴史が、このギャラリーにも重なっている。

今回展示されているのは、岩瀬ゆかによる絵と、MMM MADEによる衣類や小物などだ。

通常のキャンバスのほか大きな布に描かれた岩瀬ゆかの絵は、ライブ感のある筆致でありながら空間のバランスに優れており、力強さと同時に、余白に抜けていく爽やかさが同居するような作品群である。暮らしの中で目に触れる自然の色彩で構成されたそれらは、作家の暮らしと作品制作がひと続きになっているような印象である。

そのうち布に描かれたものはさらに、MMM MADEによってシャツやワンピースなどに仕立てられている。Gallery cafe ふくでは作家らに事前に若桜を訪れてもらい、この土地での展示を考えてもらうという。例えば今回展示されているシャツは、MMM MADEが若桜の地域やギャラリーを訪れる人をイメージし、老若男女誰もが着やすい形に仕立てられたものだ。

すべての展示品が、実際に手に取り、購入することができる。そしてアート作品でありながら、非常に手に取りやすい価格で販売されているのも大きな特徴である。

昨年11月には決まっていたというこの展示も、年明けからの新型コロナウィルス感染症拡大の影響を受けた。当初、作家らが会場にてライブペイントやワークショップを行う計画は一旦白紙となったという。
ただ、今の状況でできる展示の形を前向きに検討し、本来会場で行うはずだった作品の販売をオンラインで行うなどの工夫が行われている。また、過去の企画展で多かった県外からの来場者は減ったものの、逆に地域の人々が訪れることが多くなっており、結果的にこれまでの展示とは異なる繋がりを得る機会になっているという。

ギャラリーについて「アートの入り口としての役目を務めたい」というひやまさん。
実際に手に取り身に付けられるものとしてアートを身近に感じられる今回の展示もまた、そのような態度の現れとなっていると言えるだろう。併設のカフェ含め、ギャラリーが地域に対してどのような役割を担えるのか。ふくの取り組みにも引き続き注目したい。

トップ写真:水本俊也


ギャラリーカフェ ふく 5-6月の企画展
「 絵衣 ekoromo 」

作家|岩瀬ゆか, MMM MADE
場所|Gallery cafe ふく(鳥取県八頭郡若桜町大字若桜113)
会期|2020年5月8日(金)~6月28日(日)
時間|毎週木,金,土曜日 10:00-17:00
HP|https://fuku-wakasa.com

ライター
野口明生

野口明生

1985年三朝町生まれ。 2013年より岡山市で『とりいくぐる Guesthouse & Lounge』『NAWATE』『奉還町4丁目ラウンジ・カド』などを立ち上げ運営。現在は、鳥取市を中心に鳥取県総合芸術文化祭・とりアート2019メイン事業『鳥取銀河鉄道祭』事務局として活動中。